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5.金融機関のサポート機能の限界

①金融機関のサポートの
メリット

 金融機関のサポート機能を利用して、親の判断能力のあるうちに代理人等を指定しておけば、親が認知症になった後も、安心して預貯金を引き出したり、お金を管理したり、保険金を請求することが可能です。

 手続きも、金融機関とのやりとりが中心です。裁判所への申し立てや、弁護士・司法書士等への手続き依頼などの手間はかかりません。

②金融機関のサポートの限界

 しかし、金融機関のサポートにも限界があります。

ポイント1:現金や預貯金以外の資産については対応していない
 認知症等で判断能力や意思能力が低下すると、預貯金だけでなく、不動産や株、投資信託、国債などの資産を動かすことに支障が生じます。
 そのような場合は、「家族信託制度」を検討してみましょう。

ポイント2:契約の代理や取り消し、保険の解約等には対応していない
 認知症の親を介護する家族にとって、財産管理だけではなく、契約行為の支援があると安心です。
 例えば、悪徳商法にだまされた場合の契約の取り消し、保険の解約等が必要な場合は、「成年後見制度」を検討してみましょう。

③状況に応じて成年後見制度・家族信託制度を活用しよう

成年後見制度について

 認知・判断機能が不十分な人が、生活をする上で不利益を被らないよう、本人の代わりに適切な財産管理や契約行為の支援を行なう制度です。すでに認知・判断機能が不十分な場合の「法定後見制度」と、将来に備えて決めておく「任意後見制度」があります。

家族信託制度について

 将来、認知・判断機能が低下して、自分の財産管理ができなくなる場合に備えて、信頼できる家族に財産管理や処分の権限を信託契約で結んでおく制度です。得られた収益は所有者に還元される仕組みです。

執筆者:津坂 直子/つさか なおこ
ファイナンシャルプランナー・
特定社会保険労務士・年金アドバイザー

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