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【コミュニケーション編】

第3回 在宅介護 チェックしてみよう基本のキ!

 在宅介護で利用者さんの家に伺うとき、多くの場合は介護職員は1人で、多くの課題に直面します。
 利用者さんに「その人らしく」暮らしてもらうために、介護のプロとして基本を常に確認することが大切です。

 以下に15問のチェック項目を用意しました。

対応できている

時々対応できている

殆どできていない

 さて、あなたはいくつできていますか?

セルフチェック!

質問項目 ×
訪問時、自分から先に笑顔で挨拶することを心がけている
お茶やお菓子・お土産を勧められるが、うまく断っている
長く同じ利用者宅に訪問していても、友人のような親しい関係にならないよう配慮している
排泄など、利用者さんのプライドに関わるような質問をする場合は、内容や声の大きさを配慮している
利用者から住所・電話番号を教えてほしいと言われ、何かあれば事務所に連絡してほしいと答える
利用者に急用ができて外出することになったと言われたので、事業所へ連絡し訪問中の支援を中止した
腰が痛いのでついでにマッサージをしてほしいと頼まれたが、訪問介護計画書には含まれていないことを説明し断った
業務が終った後、サービス内容を記録するが、記録を書くことが苦手でも、できるだけ具体的に記録するように心がけている
身体介護で利用者の身体に触れるとき、細心の注意をはらっている
10 訪問中、利用者や家族から次の訪問日・時間を変更してほしいと言われたが、事務所への連絡をお願いした
11 ついでだからと、利用者以外の家族の料理や洗濯など頼まれることがあるが、断っている
12 利用者との会話の中で、他の利用者のプライバシーに関わる病名など聞かれることがあるが、話さないことにしている
13 たびたび「苦しい」「痛い」など訴えることの多い利用者だが、いつものことと思っても報告をしている
14 調理を行なうときに勝手に冷蔵庫を開けずに、利用者に必ず同意を得ている
15 業務時間に追われると居室内をバタバタ移動したくなるが、静かに移動するよう心がけている
個数
質問項目 ○△×
訪問時、自分から先に笑顔で挨拶することを心がけている
お茶やお菓子・お土産を勧められるが、うまく断っている
長く同じ利用者宅に訪問していても、友人のような親しい関係にならないよう配慮している
排泄など、利用者さんのプライドに関わるような質問をする場合は、内容や声の大きさを配慮している
利用者から住所・電話番号を教えてほしいと言われ、何かあれば事務所に連絡してほしいと答える
利用者に急用ができて外出することになったと言われたので、事業所へ連絡し訪問中の支援を中止した
腰が痛いのでついでにマッサージをしてほしいと頼まれたが、訪問介護計画書には含まれていないことを説明し断った
業務が終った後、サービス内容を記録するが、記録を書くことが苦手でも、できるだけ具体的に記録するように心がけている
身体介護で利用者の身体に触れるとき、細心の注意をはらっている
10 訪問中、利用者や家族から次の訪問日・時間を変更してほしいと言われたが、事務所への連絡をお願いした
11 ついでだからと、利用者以外の家族の料理や洗濯など頼まれることがあるが、断っている
12 利用者との会話の中で、他の利用者のプライバシーに関わる病名など聞かれることがあるが、話さないことにしている
13 たびたび「苦しい」「痛い」など訴えることの多い利用者だが、いつものことと思っても報告をしている
14 調理を行なうときに勝手に冷蔵庫を開けずに、利用者に必ず同意を得ている
15 業務時間に追われると居室内をバタバタ移動したくなるが、静かに移動するよう心がけている
個数

いかがでしたか?○と△の数を数えましょう。
△は、2つで○1つと数えてください。

<○の数 1~5個>

 在宅介護の基本のキ!は利用者と信頼関係を築くための接遇マナー(挨拶・言葉遣い・身だしなみ・行動など)が含まれています。この機会に自分自身のケアを振り返りスキルアップに努めましょう。まだまだ伸びること間違いなしです。
 「あなただったら安心して任せられる」の利用者の一言に働き甲斐のある仕事であることを実感できると思います。応援しています。

<○の数 6~10個>

 在宅介護の現場で専門職として成長し努力している様子がうかがえます。
 さらなるスキルアップを目指して、基本のキ!を現場で具体的に応用できる力量を身につける努力を続けることで介護職として大きく成長できると思います。
 基本のキ!をさらに観察力と気づきのケアにつなげることを期待します。

<○の数 11~15個>

 在宅介護の基本のキ!を十分に理解し事例ごとの特性を理解し対応している力量を持っていると思われます。しかし自信を持ちすぎないよう、まだまだ実力は伸びる余力が残っていると自覚してほしいと思います。
 理想とするリーダー像を目指して自己研鑽とキャリアアップの努力をお願いいたします。後継者育成のために謙虚で高いリーダー力を身に着けてほしいと思います。頑張ってください。

問1
訪問時、自分から先に笑顔で挨拶することを心がけている

 自分から先に挨拶をすることで、プロとして働く意識に切り替えられ、笑顔は緊張感を和らげる効果があります。
 「おはようございます、体調はいかがですか」など健康状態を確認するために、もう一言添えることで利用者はヘルパーが気づかってくれたと心地よさを感じると思います。

問2
お茶やお菓子・お土産を勧められるが、うまく断っている

 ヘルパーは介護保険制度を通して行なう公共性の高い職業であるので、一緒にお茶を飲んだり物をいただくことはできない理由を理解してもらいましょう。利用者は感謝の気持ちを形に表しているので失礼のない断り方が求められます。
 断るとき、利用者の感情を和らげるためにクッション言葉を活用し、「申し訳ございません、お気持ちだけいただきます」と伝えましょう。

問3
長く同じ利用者宅に訪問していても、友人のような親しい関係にならないよう配慮している

 対人援助の専門職として利用者と信頼関係を築くことは大切ですが、親しい関係と信頼関係を混同しないことです。利用者との会話が「ごはん食べる?」、「トイレ行く?」など馴れ馴れしくなってしまいがちになってしまうことがあります。常に介護の専門職である立場を意識しましょう。

問4
排泄など、利用者さんのプライドに関わるような質問をする場合は、内容や声の大きさを配慮している

 例えば、排泄や入浴介助などの場面では、羞恥心やプライドに配慮した声かけが必要になります。
 利用者に「このぐらいの声の大きさで聞こえやすいですか」と聞き、オムツ交換などの際に声かけの大きさによりプライバシーを守ることができます。

問5
利用者から住所・電話番号を教えてほしいと言われ、何かあれば事務所に連絡してほしいと答える

 利用者にヘルパーの住所や電話番号などの個人情報を求められたとき、用事があるときは事業所に連絡してほしいことを伝えましょう。ヘルパーは契約をしている事業所から派遣されていることを自覚する必要があります。ホームヘルパーは個人として訪問しているのではなく、事業所の一員として業務についています。

問6
利用者に急用ができて外出することになったと言われたので、事業所へ連絡し訪問中の支援を中止した

 介護保険制度では本来、利用者が不在であれば介護サービスを実施することができません。このような急な外出の申し出があったときはその日のサービスは中止せざるを得なくなります。一人で判断せず、事業所に連絡をとります。
 契約書・重要事項説明書などキャンセル料について明記してあると思いますので、サービス提供責任者から説明してもらいましょう。

問7
腰が痛いのでついでにマッサージをしてほしいと頼まれたが、訪問介護計画書には含まれていないことを説明し断った

 介護保険制度下の訪問介護として「できること」、「できないこと」を示した介護保険の関連通知「老計第10号」があり、サービスを提供する上での指針となります。
 マッサージは不可能であり、訪問介護計画や手順書に明記されたもののみ提供します。

問8
業務が終った後、サービス内容を記録するが、記録を書くことが苦手でも、できるだけ具体的に記録するように心がけている

 介護保険法には業務が終ったあとの記録の義務が明記されています。
 特に変化がないからと省略せず、訪問介護計画の目標を達成するための視点で身体的・精神的なことを観察し、気づいたことを記録に残すことで事業所内での利用者の情報共有が可能になります。

問9
身体介護で利用者の身体に触れるとき、細心の注意をはらっている

 利用者の尊厳に配慮した介助を行なうために、身体に触れることは同時に心にも触れることを強く意識することが求められます。
 利用者の腕など物のように「つかむ、ひっぱる、もち上げる」のではなく、人として大切にしている気持ちが伝わるよう手のひらで包み込むように支えます。

問10
訪問中、利用者や家族から次の訪問日・時間を変更してほしいと言われたが、事務所への連絡をお願いした

 介護保険上、訪問介護計画で決められた日時に訪問することになっているので、ヘルパー個人で日時の変更を約束しないことです。事業所に伝え、サービス提供責任者からケアマネジャーと連携をとることになります。また、ヘルパーの都合で日時を変更してほしい場合も同様です。

問11
ついでだからと、利用者以外の家族の料理や洗濯など頼まれることがあるが、断っている

 介護保険制度で対象となるのは本人への介護サービスであり家族は含まれていません。「ついでに洗濯してほしい」と頼まれた場合、ヘルパーがそれを行なうと制度に違反することとなります。
 さらに、家族の分の支援をした場合、介護保険の請求ができないため、利用した費用は介護保険外の料金で計算することになり、自己負担額1割~3割のところを10割で支払うことになってしまいます。

問12
利用者との会話の中で、他の利用者のプライバシーに関わる病名など聞かれることがあるが、話さないことにしている

 業務上、知り得た利用者のプライバシーは他言しないことです。利用者との会話に他の利用者の話題をださないことが大切です。ヘルパーの職業倫理として利用者にはプライバシーを守る権利があることを意識して会話をすることが必要です。

問13
たびたび「苦しい」「痛い」など訴えることの多い利用者だが、いつものことと思っても報告をしている

 先入観や偏見で利用者の訴えを判断しないことです。
 些細なことでも重大なサインがあるかもしれません。事業所や連絡ノートで報告することが必要です。
 利用者はその日、その日により体調の変化があり、ヘルパーは少しの変化に気づき早期発見、早期治療により重度化予防の役割を担っています。

問14
調理を行なうときに勝手に冷蔵庫を開けずに、利用者に必ず同意を得ている

 訪問介護は利用者の自宅内で業務を行なうのでトラブルが発生しやすいと予測されます。もし自分の家にヘルパーが来たとき「自分がされたらイヤだ」と想像することで利用者に不快感を与えないよう心がけることが大切です。
 利用者宅の冷蔵庫やタンスや居室など勝手に開けず「開けてもいいですか」と同意を得ることが求められます。

問15
業務時間に追われると居室内をバタバタ移動したくなるが、静かに移動するよう心がけている

 利用者宅での動作は丁寧に落ちついて行ないましょう。
 利用者に忙しさを感じさせないよう室内のドアの開閉や移動はあわてずゆっくり行なうことで心地よい生活の場を支えることができます。

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