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【コミュニケーション編】

第5回 在宅介護 事業所や他のヘルパーさんとの関係が悩みのタネ

まずは、介護職員Sさんの対応をみてみましょう

 仲間のヘルパーさんのなかには、複数の事業所と契約して業務に就いている人がいます。
 私の事業所で指示された決まりと違うことが連絡ノートに書かれていたので注意すると、「それぞれの事業所には違いがある。私は経験上、一番いいやり方を知っている」と言います。

 事業所に相談すると、「注意しておきます。それより、あなたが頑張りすぎて、他のヘルパーさんが困っている。チームワークも大切よ」と言われました。

 一生懸命やっているのに納得がいかず事業所を変えようか、とも考えましたが、どこでも課題はあると思いとどまり、今は意見を言わないようにしています。

スキルアップ!
周囲と密に連携。
利用者さんのために力を結集する!

セルフチェック! あなたの日頃の行動に当てはまるのはどれですか?

質問項目 YES/NO 解説
「ヘルパーさんが不足して困っている」というような事業所のプライバシーは利用者、家族に伝えないようにしている ポイント1を読む
ミーティングの際、ヘルパーさん達はグループに別れうわさ話などをしているが、その輪の中に入らないことにしている ポイント1を読む
利用者宅に複数の事業所のヘルパーさんが入っている場合、事業所同士ヘルパー同士の情報交換が不足して不安を感じる ポイント2を読む
ヘルパーさんの中には、複数の事業所と契約を結んで活動している人もおり、他事業所のやり方で行なわれると、戸惑うことがある ポイント2を読む
介護技術の統一を図りたいので事業所に研修してほしいと要望した ポイント3を読む
事業所から、あなたが頑張りすぎると次のヘルパーさんと交替するときに実力の差が出て困ると言われ、働く意欲をなくしたことがある ポイント3を読む
担当する利用者は生活援助ばかりで身体介護がないので、事業所に身体介護を担当させてほしいと頼んだことがある ポイント3を読む
一人の利用者宅へ数人のヘルパーさんが入っているが、連絡ノートでの申し送りができていなかったり、連絡ノート上でヘルパーさんを批判するのでイライラすることがある ポイント3を読む

いかがでしたか?あなたの日頃の行動が、見えてきたのではないでしょうか。
該当するポイントを読んで、「介護の基本」の振り返りをしてみましょう。

ポイント1
プライバシーのうわさ話は、固くつつしむ

 ヘルパーさんは事業所のプライバシーを知る立場にあり、守秘義務があることを強く意識する必要があります。

 例えば、「介護業界はどこも人手不足で、うちも同じなんですよ」などと、事業所の人手不足を軽い気持ちで利用者さん、ご家族に伝えたとしましょう。あなた自身はそのつもりはなくても、聞いたほうは継続して同様のサービスが受けられるかどうか不安を抱いてしまう場合もあります。
 いずれにしても事業所の信用に関わる内容であり、ヘルパーさんは内部情報を軽々しく話さないことです。

 また、事業所のプライバシーだけでなく、利用者さんのプライバシーを知っているヘルパーさん達は、情報交換の軽い気持ちでうわさ話をしてしまいがちです。
 しかし、うわさはあっと言う間に広がり本人の耳に入る可能性もあります。

 ミーティングなどで職業倫理を再確認してもらい初心に立ち返るよう、サービス提供責任者に提案するとよいでしょう。

ポイント2
事業所が違っても、良質な介護をめざすのは同じ

 介護保険のサービスは複数の事業所がチームを組んで利用者にサービスを提供することがあり、力を合わせて支援していくものです。
 しかし、事業所同士が十分に情報共有せず、ライバル意識をもってしまうと、ヘルパーさん同士も記録や連絡ノート上でいさかいを起こしかねません。
 このような場合は各事業所同士が話し合い、連絡ノートの書き方や支援内容の統一を図ります。それを担当ヘルパーさん全員が確認し共有することで質の良いサービスの提供が可能になります。

 また、ヘルパーさんの中にはいくつかの事業所と契約をして業務を行なっている人もいます。事業所ごとに指導が異なることがあると、それぞれの事業所内で統一が図れないことも出てきます。

 他のヘルパーさんに対して、「これでいいのだろうか」と疑問を抱いたときは、つげ口になるのではと遠慮することなく事業所に相談しましょう。
 事業所内で共有することが解決につながり、本人も自分の介護をふり返る機会となり、よりスキルの高いヘルパーさんに成長できると思います。

ポイント3
研修には積極的に参加し、スキルアップを図ろう

 利用者が生活上、困難が生じ介護が必要になった場合、その原因を把握し、適切な介護方法を導き出すことが重要です。

 そのためには研修に参加し、さらに確かな介護技術を身につけることが求められます。事業所内のヘルパーさん全員が高いレベルの介護技術を身につけることで、プロとしての働きがいを感じることができるのではないでしょうか。

 また事業所は、研修で身につけた技術が実践できるよう、一人ひとりのヘルパーさんの状況や要望を確認します。生活援助だけでなく身体介護を希望する場合もあります。
 ヘルパーさんとの細やかな連携が、さらにレベルの高い身体介護、生活援助につながります。

 一方、ヘルパーさん自身も個人のスキルアップをめざすだけに留まらず、事業所全体のケアサービスをよくする努力が必要です。
 例えば、同じ利用者さんを担当したヘルパーさんは、業務に活用できる連絡ノートで互いを批判するのではなく、情報共有のために分かりやすく、建設的な意見を書くことで、それぞれの介護技術の能力差をなくすことが期待できます。

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