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小さな心配りと工夫が健康な体を作る!

一般公開日:2018.03.17

 前回は「賢い食生活」についてのべました。今号は、具体的な食事方法について考えます。

1)いろいろな食品を摂ると栄養の偏りが防げる人の嗜好はある程度決まっていて、同じようなものを繰り返し食べていることが多いものです。そのために栄養が偏っています。改善するためには、まず意識していろいろなものを食べることが必要です。食べていないものや新しい食品にトライしてみてください。そうすることで偏りが防げます。 

2)野菜・きのこ・海藻を摂ると食物繊維・ビタミン・ミネラルが充足します。そのためには料理のレパートリーを増やすことが大切です。例えばワカメ料理ですが汁物、酢の物、サラダばかりでなく、しょうがやネギを加えて、炒め物や天ぷらなどにするとよいでしょう。試してみてください。美味しいです。そうすると1日5品摂れるようになります。

3)タンパク質を毎食摂ると食べすぎを防げます。朝食に納豆か目玉焼きを摂り、昼食に肉、夕食には魚、間食に乳製品を摂るようにすると、タンパク質なので食事の満足感が得られます。そのうえで肉料理のときには、付け合わせにたっぷりの野菜や海藻でボリュームを増やすと食べすぎを防ぐことになります。主菜が魚料理のときは小鉢にいれる野菜の種類を増やすと味が複雑になり、食事全体の満足感が高まり、物足りなさを防ぎます。

 そして1日のなかでは主菜に肉だけとかまた魚だけにならないように、昼食に肉料理を食べたら、夕食は魚にと、交互に献立を選ぶとよいでしょう。今は肉を食べる量が多いと思う方は、努めて魚を食べるようにしましょう。魚には肉にないEPAやDHAなど体に良い油が含まれています。また肉を選ぶ際には、脂肪分の少ない赤身(もも、ひれ、ささみなど)を基本にするとよいです。

4)アルコールは習慣性のもの、酩酊するまで飲むことはやめましょう。アルコールは1日1缶(500ml)までが理想ですが、物足りない人は、ウイスキーや焼酎など薄められるもので飲む量をコントロールするのも一つの方法です。お酒があると食卓が華やぎますが、習慣化や飲み過ぎ・食べ過ぎにつながりやすいことを心にとめおきましょう。

5)食べ方に工夫しましょう。食事のときは、野菜や海藻など繊維質の豊富な食品から食べ、ゆっくり噛むようにします。また食器を小ぶりなものにして満足感を得るのも食べすぎを防ぐ方法の一つです。

6)高カロリー料理は高脂肪料理なので、油を節約する方法を覚えましょう。例えば焼きソバでは麺・野菜を電子レンジで加熱してから、少量の油や焦げないフライパンでいためると油を大幅に節約できます。フライドポテトはオーブントースターでじっくり焼くなどするとよいでしょう。

 賢い食事も個人個人の嗜好や環境により複雑です。いきなり修正するのでなく、小さな心配りと工夫を重ねてゆくことが大事です。新たな年、賢い食生活で自分や家族の健康を守ってください。

【執筆者プロフィール】

榎本 眞理/えのもと まり

東京医科大学病院 栄養管理科部長

賢い食生活で健康な1年に

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