水はなぜ体にとって大切なのか
厚生労働省の「健康のために水を飲もう講座」には「人間は1日2.5リットルの水が必要です」とあります。さらに、「体のなかの水分を5%失うと脱水症状や熱中症などの症状が現れ、10%失うと筋肉の痙攣、循環不全などがおこり、そして20%失うと死に至る危険性がある」と書かれています。
加齢によって、体重における体内の水分量の比率は減少します。中高年で多発する脳梗塞、心筋梗塞なども水分摂取量の不足が大きなリスク要因になっています。
では、なぜ水は大事なのでしょうか。
水は、人間の生命維持や活動に必要な化学反応の媒体の役目を果たしています。また、体内の水分は、血液として体の隅々に酸素や栄養を運んだり、汗や尿として老廃物を体外に運び出す役割を果たしています。もし水分が十分に供給されない場合、例えば血液が濃縮され、脳血栓の原因になったりします。また、体温調節や筋肉を動かす働きにより、季節に応じて体をその環境へと適応させています。しかし、多くの人が水分の摂取量が不足気味と言われています。
次回は具体的な「水分補給の方法」について考えてみましょう。
【執筆者プロフィール】
榎本 眞理/えのもと まり
東京医科大学病院 栄養管理科部長
健康のために、水分をしっかり摂ろう!
水はなぜ体にとって大切なのか