渇きを感じる前に水分を摂る
水分は、喉に渇きを感じてから飲むのではなく、渇きを感じる前に水分を摂ることが大事です。特に水分が不足しやすい、就寝の前後、スポーツの前後、入浴の前後、飲酒の前後などに、水分を摂ることが大切です。また枕元に水差しなどをおいて就寝することも良いでしょう。喉の渇きを覚えたらすぐに摂取できるからです。
日本人は全般的に水分の摂取量が不足しており、平均的には、コップの水をあと2杯飲めば、一日に必要な水の量をおおむね確保できると言われています。
ただし、腎臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、その指示に従う必要があります。
特に高齢者は体内の水分量が少なくなります。体のなかで水分を多く含む細胞は筋肉です。加齢により筋肉量は減少するため、体内に水分を蓄えにくくなってしまいます。このように、もともと持っている水分量が少ないため、脱水症になりやすくなります。とともに、腎臓の機能が低下し、同じ量の老廃物を出すためにたくさんの水分量(尿)が必要になりますので、結果として尿として排泄される水分量も多くなります。
このように、高齢者は脱水症を起こしやすい状態になりますので、こまめに水分を摂ることが必要になるのです。
これから徐々に気温が上がってきます。水分を摂る習慣を身につけ健康な毎日を送ってまいりましょう。
【執筆者プロフィール】
榎本 眞理/えのもと まり
東京医科大学病院 栄養管理科部長
健康のために、水分をしっかり摂ろう!
渇きを感じる前に水分を摂る