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日常生活で塩分を控えることは難しい①

一般公開日:2018.03.17

 厚生労働省は、生活習慣病の予防のため、健康診断の指導や給食の献立の基準として「食事摂取基準」を設けており、これは5年に1度見直されています。

 この報告書では高血圧の予防などを目的に、食塩の1日の摂取量の目標値が提示されていますが、この目標値は改定のたびに減っていくことで毎回話題になっています。

 2015年版では食塩の1日の摂取量の目標値は、男性は8g未満、女性は7g未満に制限しています。この数値は、塩や醤油などの調味料に含まれる塩分量だけでなく、野菜や魚などの食品に含まれるナトリウムの食塩相当量も合算した数値です。では7g~8g未満とはどのくらいなのでしょうか。

 果物やキノコ、芋類などにはほとんどナトリウムは含まれていませんが、それ以外の食品の大半はナトリウムが含まれています。一つ一つの食品に含まれている量は少ないのですが、すべてを合わせると見過ごせない量になります。

 日本人がこれらの食品から摂っているナトリウムを食塩相当量に換算すると、1日1~2g前後になり、1日の摂取量の目標値の3割になることもあります。調味料の場合、塩分量1gは、醤油で小さじ1杯、味噌大さじ1/2杯、ソース大さじ1杯程度です。

 このように、日常生活で塩分を控える、というのが難しいことがわかります。
(次号に続く)

【執筆者プロフィール】

榎本 眞理/えのもと まり

東京医科大学病院 栄養管理科部長

食事に「塩分控えめ」はなぜ必要なの?

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