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運動が最も信頼できる予防法

 あなたはいくつあてはまりますか?

Q1.最近、運動不足を感じている

Q2.階段よりエレベーターを使ってしまう

Q3.運動を始めても続かない

 認知症予防には様々なものがありますが、疫学的な調査がされて信頼度の高いものでは、「運動をすること」が認知症の発症を抑えることがわかっています。運動をすることで、脳へ行く血液が増え、脳神経細胞に酸素と唯一のエネルギーであるブドウ糖が十分に供給され、神経細胞が元気になります。
 また、運動をすると神経栄養因子と呼ばれる脳内物質が増えます。これは神経細胞同士が手を伸ばし合って回路を作っていくときに重要な物質です。

体を動かすと記憶力も良くなる!

 他にもセロトニンが増えることで、心が安定してきますし、ドーパミンも増えるので、意欲も出てきます。
 実際にマウスの実験では、よく動けるようにしたマウスのほうが、運動を制限されたマウスより記憶力が良くなることがわかっています。

これならできる!毎日の運動法

 運動といっても、短距離を全力疾走するような無酸素運動は過剰運動になってしまいます。少し早歩きくらいの有酸素運動を1日、30~40分でいいのです。それも続けてやる必要はなく、10分を3回とか4回とかに分けてやっても構いません。だから例えば、家から駅まで徒歩で一往復20分かかるとすれば、あとの20分をちょっとウォーキングという形の運動をします。
 重要なことは、継続することです。週に一回水泳をするというような運動では認知症予防にはつながりにくいのです。

楽しみを見つけながら続ける

 運動をすれば、体重が減り、メタボ対策にもなります。また、LDL(悪玉)コレステロールも減り、血圧も下がります。その結果、動脈硬化の進行を遅らせることになります。結果的にそれは、脳梗塞予防になり、ひいては脳血管性認知症予防になります。

 まずは一歩踏み出し、運動を始めてみましょう。健康法はずっと続けなければ意味がありません。
 デジカメで周りの風景を撮ったりして、楽しみながら歩いてみましょう。

【執筆者プロフィール】

米山 公啓/よねやま きみひろ

1952年5月10日 山梨県甲府市生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒。専門は神経内科。脳卒中、認知症、老人医療、健康論など。
開業医のかたわら、講演、テレビ・ラジオの出演や医療番組企画など活躍の場は広い。『脳が若返る30の方法』「もの忘れを90%防ぐ法」など著書は250冊以上を上梓している。

関連著書紹介
「医者がぼけた母親を介護する時」

認知症は予防できる

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