ストレスを減らす
あなたはいくつあてはまりますか?
Q1.心が通う友人が数人いれば満足
Q2.打ち込める趣味が少ない
Q3.ちょっとしたことでは達成感をえられない
認知症の予防のためには、脳を活性化するだけではなく、脳の神経細胞を守っていくことも大切です。
ストレスがかかると、脳の神経細胞が死んでいくことがわかっています。PTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれる状態で、長く強いストレスがかかると、海馬の神経細胞が減っていきます。そこで、脳を守るためには、いかに上手にストレス回避ができるかが重要になってきます。
また、不安や心配ごとが多い人に認知症の発病が多いという統計もあります。
本音を語れる仲間を作る
一番簡単なストレス回避方法は、人としゃべることです。私たちは普段無意識のうちに、仲間に愚痴をこぼしてストレス回避をしています。ここで大切なことは、本音をしゃべれる仲間を作っておくことです。会社などの職場ではなかなか本音を言いにくいかもしれません。ストレス解消には、学生時代の同級生や趣味の仲間など、仕事とは関係のない友人がいいでしょう。
人間関係を広く作っておくことは認知症の予防になるのです。
7つの趣味をもとう!
仕事が趣味という人は定年で仕事を辞めたあと、何か自分が打ち込める物をもっていないと、目標を失ってしまい、何もやることがないということがストレスになってしまいます。
私が最近提案しているのは「7つの趣味をもちなさい」ということです。
たくさんの趣味をもつことはそれだけ視野を広げてくれますし、まったく違う世界の人と知り合うことができます。また自分の話を聞いてくれる人をたくさんもつこともできます。
最後までやりきること
達成感を得る時、ストレスが解消する時でもあります。机の上を綺麗にする、庭を片づけるなど、ちょっとしたことを最後までやることで、ストレス解消になっていきます。
このようにストレスの回避方法はいろいろありますが、ストレスは私たちが一生つきあっていかなければいけないものでもあります。しかしストレスは悪いことばかりではありません。適度なストレスと上手に付き合えば、認知症の予防にもつながるのです。

【執筆者プロフィール】
米山 公啓/よねやま きみひろ
1952年5月10日 山梨県甲府市生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒。専門は神経内科。脳卒中、認知症、老人医療、健康論など。
開業医のかたわら、講演、テレビ・ラジオの出演や医療番組企画など活躍の場は広い。『脳が若返る30の方法』「もの忘れを90%防ぐ法」など著書は250冊以上を上梓している。
関連著書紹介
「医者がぼけた母親を介護する時」