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高齢者の熱中症の予防

一般公開日:2022.9.18

 今回は高齢者の熱中症の予防について考えます。
 まず「水分が不足しがち」に対する予防方法です。
 人間は1日に2.5リットルの水が必要で、食事以外に1.2リットルの水分を摂るように言われています(統一された水分摂取量の見解は出ていません)(※2)。

 朝、1.2リットルの水分を用意して、それを1日かけて飲みきるのも一つの方法です。のどが渇いていなくても2時間ごとなど時間を決めて、水分を摂る方法もおすすめです。
 また、寝る前でも水分を我慢しないようにします。熱中症対策に適している飲み物に「経口補水液」がありますので活用しましょう。

 次に、「温度調節」についてです。
 日中は、できるだけ風通しのよい日陰など、涼しい場所で過ごすようにします。また、遮光カーテンや、すだれ、打ち水なども温度を下げる効果が期待されます。とともにエアコンや扇風機を上手に利用することが大切です。
 たとえ暑さを感じなくても、エアコンで部屋の温度をこまめにチェックし調整するなどしましょう。

 外出時には日傘や帽子の利用とともに、こまめな休憩をとります。さらに、体調を崩した場合に備えて緊急の連絡先を用意しておくと良いでしょう。

 また夏は体温調節のために自律神経が乱れがちになり、さらに熱帯夜などで睡眠不足が起こりがちです。そこで、疲れを溜めない身体づくりも大切です。
 そのために、まずは基本である、1日3食、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく組みあわせて、いろいろな種類の食品を摂りましょう。

 ビタミンB1が不足すると体内に摂取された糖分をエネルギーに変換できにくくなります。ビタミンB1は豚肉、うなぎ、大豆、玄米、ほうれん草などに多く含まれます。
 アリシン(ニンニク、ニラ、ねぎ、玉葱、生姜など)を含む食品と一緒に食べるとビタミンB1の吸収率がアップします。

 クエン酸(レモン、グレープフルーツ、梅干しなど)は、疲労の原因の一つとなる乳酸を分解する機能があり、また免疫力を高める助けをしてくれたり、ストレスへの軽減につながることが期待されます。熱中症に気をつけ、熱い夏を元気に乗り切りましょう。

(※2)厚生労働省:
「健康のため水を飲もう」推進運動
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

【執筆者プロフィール】

森 史香/もり ふみか

訪問看護師。
1998年北里大学看護学部卒業後、北里大学病院勤務。
湘南鎌倉総合病院を経て、現在、鎌倉市医師会鎌倉訪問看護ステーション勤務。

熱中症予防

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