糖尿病の人の食事のポイント①
糖尿病は、慢性的に血液中のブドウ糖の濃度が高くなる代謝疾患群で、全身にさまざまな障害を起こします。糖尿病患者とその予備群は、国内で2,000万人を超え、まさに"国民病"といえます。
糖尿病の治療は、血糖値を正常に近づけることが原則です。通常は、治療薬、食事療法と、無理のない適度な運動を定期的に行なう運動療法を、医師から指示されます。中でも毎日の食事が大切です。
糖尿病の食事療法の基本は、どの食べ物がよい、悪いということよりも、食べ過ぎたりせず、偏食せずに、一日3食規則正しくバランスのよい食事をとり、それを長く続けることです。ただし、合併症がある方は、食事療法の内容が変わってくる場合がありますので、必ず医師の指示に従ってください。
食事療法を続ける時に、「あれもダメ、これもダメ」と考えると気が重くなってきます。「これなら大丈夫!」「こんな方法もある」と前向きに捉えるようにしたいものです。例えば医師から1日1,600キロカロリー(kcal)と指示された場合でも「1,600キロカロリーも食べられる!」と考え、工夫をしながら取り組めば、治療生活も少しは楽になるはずです。そのうえで、3点のポイントを述べます。(次号に続く)
【執筆者プロフィール】
榎本 眞理/えのもと まり
東京医科大学病院 栄養管理科部長
糖尿病の人の食事のポイント
糖尿病の人の食事のポイント①