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介護予防のために肥満だけでなく低栄養にも注意しよう①

一般公開日:2018.03.17

 栄養過多による肥満はよく問題視されますが、同じように低栄養にも注意が必要です。厚生労働省は、低栄養の疑いを判断する基準として、体重が6ヵ月間で2~3㎏減少、BMI(体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数)が18.5未満としています。

 要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)は、突然始まることもありますが、多くの場合、健常な状態から、筋力や心身の活動量が低下した状態(フレイル)の時期を経て、要介護状態に至ります。その大きな原因の一つとされているのが低栄養です。

 高齢者の低栄養は、胸が苦しい、お腹が痛いなど具体的な症状があるわけではなく、食事量も少しずつ減っていくので、本人も周囲も危険だと気づかず見過ごされがちです。しかし、低栄養になると、疲れやすくなり、筋力が落ち、やがて歩行も困難になり生活全般が不活発になります。健常の人に比べて、要介護状態に至る危険性が高いだけではなく、入院のリスクが高く、転倒する可能性も高いと言われています。

 フレイルの状態を早期発見し、早期に対応することで、歩ける状態を維持し要介護に至る時期を遅らせ、健康寿命をのばすことができるのではないか、とさまざまな研究や提案がなされています。

 特に、高齢者でひとり暮らしになると、「毎日バランスが取れた食生活をしよう」と言われても、買い物や調理の大変さもあり、難しい場合もあります。また、長年慣れ親しんだ味の好みや、「肉や油、砂糖は健康に良くない」などと思い込んでいる人もいます。また、糖尿病や高血圧の薬を飲んでいたりすると、必要以上に食べるものを制限してしまうこともあります。

 それでは低栄養の改善にはどういう方法があるのでしょうか。(次号に続く)

【執筆者プロフィール】

榎本 眞理/えのもと まり

東京医科大学病院 栄養管理科部長

介護予防のために肥満だけでなく低栄養にも注意しよう

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