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高齢になると「食べにくくなる」食材②

一般公開日:2018.03.17

 高齢者にとって食べにくい食材を食べやすくするためにどのような工夫ができるでしょうか。

■まず、食べにくい食材は避ける
海苔のように口に張り付く食材は避けます。海苔巻きの場合、海苔の代わりに薄焼き卵で巻いたり、青海苔を散らすなど工夫しましょう。

 魚介類はなるべくイカ、タコなど噛み切りにくいものは避けます。好物でどうしても食べたい場合は、細かく切り目を入れたり、ハンバーグのようにミンチにしてから形成するといいでしょう。

■噛む力を助ける
繊維が多い野菜などは、隠し包丁を入れてから、時間をかけて加熱することで食べやすくなります。青菜の葉は柔らかい葉先を使用し、キャベツや大根、ごぼうなどは繊維の方向に対して直角になるように切ります。

 肉は赤身の多いものより、やや脂肪が含まれている方が柔かく仕上がります。調理する前に肉は叩き、皮の部分や脂身は切り目を入れるか取り除きます。

■飲み込む力を助ける
柔らかくすると同時に、食材を口のなかでまとめて飲み込みやすくすると良いでしょう。卵の場合、なるべくゆで卵は避けスクランブルエッグなど、水分を含むように調理すると食べやすくなります。

■とろみ剤を利用する
食べやすくする工夫として、とろみを付ける、ゼリー状にするという方法があります。出来上がった料理にあんをかけると上品で飲み込みやすい料理になります。とろみは片栗粉やコーンスターチ、とろみ調整食品などを利用するのも一つの方法です。

 毎年の統計を見ると、食材で窒息する可能性があるのは高齢者ばかりでなく病気で体力の落ちている方、小児も注意が必要です。新しく始まる年を寿ぐお正月。来年も工夫をしながら健康な生活を送りたいものです。

【執筆者プロフィール】

榎本 眞理/えのもと まり

東京医科大学病院 栄養管理科部長

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