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事例6 大好きな入浴をさせてあげたい(2/2)

身体が動かない、
でもどうしてもお風呂に入りたい

 しかし最近清吾さんは、デイサービスに出かけるのを嫌がるようになり、一日中ベッドでうつらうつら寝ているようになりました。ヘルパーさんと佐枝子さんのふたりがかりで、入浴介助をしていたのですが、清吾さんの体の自由が利かずそれも難しくなってきました。

 毎日、体中を温かいタオルで拭き、足湯など工夫しましたが、「どうしてもお風呂に入りたい」と言います。ほかには何一つ希望を言わない清吾さんですので、どうにかかなえたいと、ケアマネジャーさんに相談すると「訪問入浴介護」が利用できるとのことでした。
 訪問入浴は1回15,000円程度と高いのですが、公的介護保険を利用すれば1割(※2)の自己負担ですので、ケアプランに入れてもらいました。必要条件の主治医の入浴許可も得ることができました。

訪問入浴介護を利用する

 事前に訪問入浴の事業者が下見に来ました。駐車場や自宅の水回り、浴槽を持ち込む場所などをチェックしていきます。サービスを提供するには2畳ほどのスペースがあれば大丈夫だそうで、部屋に浴槽を持ち込んでサービスを提供することになりました。

植田清吾さんのケアプラン2
身体介護 月30回
訪問入浴 月4回
訪問看護 月4回
居宅療養管理指導
(医師)
月2回
車いす貸与 1ヵ月
特殊寝台貸与 1ヵ月
月額278,042円
(自己負担額27,806円)

※金額はあくまで参考価格であり、実際にかかる費用とは異なる場合があります。

 当日は看護職員1名と介護職員2名の3名が来ました。自己負担額は1割(※2)の約1,500円でした。入浴前と後に血圧を測り健康チェックを行ないます。せっけんやシャンプーも事業者が用意してくれます。

 久しぶりに湯船につかった清吾さんは「やっぱり、お風呂はいいなあ」と、それはうれしそうです。ほかのプランを減らしても、毎週1回は入浴するケアプランをお願いすることに決めました。

訪問診療をお願いしたい

 しかし最近、清吾さんは、食が細くなり好物を用意しても、ほんの少ししか口にしません。病院に連れて行こうとしても動くことがつらいらしくいやがります。心配した勝男さんが調べたところ、近所で訪問診療を行なっているクリニックがあることがわかりました。
 ケアマネジャーさんに相談し、月2回の訪問診療と、通院が困難な利用者へ医師などが訪問して療養上の管理や指導、助言などをしてくれる「居宅療養管理指導(医師)」をセットでお願いすることになりました。

 だんだん弱っていく清吾さんを見るのはつらいですが、できることをやりながら、穏やかな日々を過ごしていきたいと思います。

ワンポイント

 限りある介護資金のなかで、何を優先させるか。本人からは言いにくい場合や言えない場合もあります。
 本人の生活習慣や嗜好・価値観を考えた周囲の心配りが、豊かな老後を支えます。

※1このページで示されている公的介護保険の利用料は自己負担1割を想定して算出されたものです。
お住まいの地域やご利用の事業所によって金額は異なります。

※2一定以上の所得がある第1号被保険者(65歳以上)は2割または3割負担となります。
2割または3割負担となる判定基準については、2割・3割負担判定チャートをご確認ください。

※3ケアプランの金額は各サービスの基本料金に介護職員処遇改善加算(加算Ⅰ)、介護職員等特定処遇改善加算(加算Ⅱ)、地域区分(1級地)を算定しています。

※4公的介護保険制度等に関する記載は2021年6月現在の制度に基づくものです。

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