事例9 遠距離介護費用が家計を圧迫(1/2)
熊本県にひとりで住む安藤加代子さんは、先日ボヤを出し、隣の人が心配して東京に住む娘の恭子さんに連絡してきました。あわてて駆けつけましたが認知症のようです。東京から毎月1回通い、様子を見ていますが一人暮らしをいつまで続けられるか心配です。

安藤加代子さんの場合
プロフィール
年齢・ 居住地 |
82歳(熊本県在住) |
---|---|
要介護度 | 要支援2 |
家族 | 【別居】 (東京在住) 恭子さん(次女)51歳 長男、長女 |
介護場所 | 自宅 |
経済状況
月収 | 約11万円 (遺族年金+国民年金) |
---|---|
預貯金 | 1,500万円 |
資産 | 自宅(土地・建物) 時価2,500万円 |
※登場人物はすべて仮名です。
故郷で一人暮らしの親の認知症が
始まった!?
恭子さんの母親は82歳になります。近所付き合いもよく、元気そうに暮らしていると安心していたのですが、隣人から、煮物をしているのを忘れてボヤを出し、やけどをしたと連絡が入りました。母親に電話をすると、「誰に聞いたの?うっかりしていただけよ、大丈夫」と言いますが、そうはいっても心配です。
恭子さんは次女ですが、長女は義父母の介護があり、長男は海外勤務で、すぐに駆けつけられるのは恭子さんしかおらず熊本まで飛んで行きました。
隣人にあいさつに行くと、最近、もの忘れが激しくて心配だと言います。
「お母さん、わざわざ東京から来たのだから、安心のために病院で診てもらおうよ」と説得し、病院のもの忘れ外来で受診すると、認知症の初期症状とのことでした。
近くにある地域包括支援センターに相談に行き、要介護認定を申請することにしました。結果は「要支援2」で、地域支援事業の通所型サービスを週2回、訪問型サービスを週1回利用しながら様子を見ることになりました。
そのときから、恭子さんは月に1回は熊本に帰省しています。
帰るたびに、母親の様子は少しずつ変化があり、大好きなカラオケサークルに行かなくなっていたり、「友人が遊びに来た後、お財布がなくなった」と疑ったり、認知症が進んでいるようです。東京に来るか、施設に入るか、何度も話し合いましたが、自宅から離れるのは絶対にいやだと聞き入れません。
もう少しこのまま様子を見ることにしましたが、月に1度しか来られないので、その間がとても心配です。できることを必死で探しました。
高齢者の見守りサービスを
調べてみたら...
近所の人が何より心配しているのが失火です。また袖に火が移ってヤケドでもしたらたいへんです。ひとりで暮らすためには何としても火の使用はやめてもらおうと、簡単に操作できる電気調理器に取り替えました。認知症が始まっている母に、新しい器具の操作を覚えてもらうのはそれはたいへんで、大きな紙に操作手順を書いて貼り、何度も練習しました。やっとのことで、その紙を見ながらどうにか使えるようになりました。
つぎに、市で実施している「一人暮らしの老人訪問事業」に申し込み、安否確認をお願いしました。同時に、高齢者の安否確認や急病等の緊急時に、近隣住民およびボランティアが駆けつけてくれる「緊急通報サービス」も申し込みました(設置時に所得税額に応じて負担金がある場合もあります)。
そのほかにも、いろいろな企業が実施する安否確認サービスを見つけました。
電気やガスの使用状況からわかる見守りサービスや、トイレのドアの開け閉めやトイレの水流で安否確認をするもの、また部屋にカメラを設置するものなど多くのサービスがあるのには驚きました。
恭子さんはドアセンサーでトイレドアの開閉をチェックし、一定時間開閉されないと、携帯電話・パソコンにメール通報されるサービスを利用することにしました。
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