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事例8 介護のために仕事を辞めると生活できない(2/2)

会社に迷惑をかけるし、
辞めるべきだろうか...

 しかし、最近は仕事中にショートステイ先から「痛くてたまらないからすぐに来て!」と美和さんの携帯電話にたびたび連絡が入ります。電源を切っておくと、今度は会社に直接かかってきます。
 それでなくても今まで、有子さんの手術や通院のために会社を休み、遅刻や早退も多かったので、会社に対して心苦しくてたまりません。

 美和さんは追い詰められ、会社を辞めてパート勤めに変え、家にいる時間を増やすことも真剣に考えましたが、自宅マンションのローンもありどう考えても生活費がたりません。
 信頼する上司に相談したところ「介護休業法を利用したらどうだ。仕事を辞めて、かえって介護に行き詰まった人がいるぞ」と言われました。

『介護休業法』の利用を検討する

 人事部に相談に行くと、介護休業法では、要介護状態にある配偶者や両親などそれぞれについて、3回まで通算93日の範囲内で休みを取得できることを説明されました。しかし、美和さんの会社では、介護休業中は無給になってしまうそうです。

 この先、有子さんの介護が何年間続くかわかりません。どのタイミングで「介護休業」をとればいいのか判断に迷いました。

 しかし、今回思い切ってこの制度を利用することにしました。
 有子さんも美和さんも、精神的にも肉体的にもこのままでは共倒れしてしまいそうなほど追いつめられていたからです。会社の休業期間中は雇用保険の給付の一つである「介護休業給付金」を受けることができることになりました。

 今はまだ先が見えないトンネルにいるような気持ちですが、勤務先の理解もいただき、周囲に助けてもらいながら、介護と仕事の両立をどうにかがんばっていこうと思っています。

ワンポイント

 介護のために離職した人のなかには、経済的に行きづまったり、肉体的・精神的な負担からうつ状態になる人もいます。また、介護が終わった後の再就職も難しいので、「介護と仕事」の両立を図ることも選択肢の一つです。
 そのためには、公的介護保険や各種のサービス、介護休業法などを活用するだけでなく、周囲に応援をお願いすることが大切です。

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