塗り絵の効用①「毎日続けよう! 達成感と継続」
脳を活性化させるには、いろいろな方法がありますが、一番大切なことは継続できることです。一時的に脳を刺激しても、そのあとの刺激がなければ、すぐにもとに戻ってしまいます。
人間の脳には学習していく仕組みがあります。それは脳をどんどん進化させていく仕組みでもあります。続けていくことで脳神経細胞どうしのネットワークが完成して、それは消えない記憶となっていきます。それが学習です。一時的な刺激は、時間とともに消えてしまうようにできているわけです。
そういう意味では塗り絵は継続していくことがそれほど難しくありません。あまり大変なことであれば意欲を失って、続けられません。がんばればできる程度の難しさこそ、継続の秘訣です。
また、1枚の塗り絵を完成させたときの達成感や喜びを感じるとき、脳の中ではドーパミンという脳内物質がでて、快感になります。
この達成感という快感を得ると、またやってみよう、もっとやってみようという気持ちになって、継続していくことができるのです。塗り絵を選ぶとき、あまり複雑で難しいものでも駄目ですし、あまりに簡単過ぎても駄目なのです。少しがんばらないとできないという程度の塗り絵こそ、継続することができるわけです。
【執筆者プロフィール】
米山 公啓/よねやま きみひろ
医学博士(専門/脳卒中、認知症、老人医療、健康論など)。
開業医のかたわら、講演、テレビ・ラジオの出演や医療番組企画など活躍の場は広い。
著書多数。