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介護が苦しくても相談場所がない

一般公開日:2022.3.20

<質問>

 90歳で要介護4の母を介護しています。介護生活が6年も続き、時には顔を見るのもイヤになります。ケアマネジャー以外は誰にも相談するところがありません。

<回答>

 日本人の平均寿命が延びたことに伴い、介護を必要とする期間が長期にわたるようになりました。在宅介護が6年間続いているとのこと、休みのない介護生活に疲労感とストレスを抱えて過ごしていることとお察しいたします。

 一方で長期にわたり介護を受けているお母様も、家族のたいへんな思いが伝わり、心の負担を感じているのではないでしょうか。

 介護するご家族の介護負担を軽減することが、介護される高齢者の心地よい介護につながることは認識されています。しかし、その体制はまだ十分とは言えません。長期化する在宅介護を無理なく続けるためには、介護するご家族はひとりで抱え込まずに、できれば家族の他のメンバーに何らかの協力を得られないか、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。それと同時に専門家の力を活用しましょう。

 また、介護家族の集まりへの参加を検討してもよいと思います。介護をしている家族が交流を深めたり、知識や情報を交換できる「家族会」という集いがあります。当事者同士で悩みを打ち明けたりすることが心の支えになることもあります。

 現在は身近なケアマネジャーにご相談なさっているようですね。介護保険などの介護サービスを活用して、ご家族の休養日を確保できるようなケアプランの作成を相談してもらいましょう。

 さらに、ケアマネジャー以外にも介護情報や知識を得るためには市区町村が設置している「地域包括支援センター」等が介護など総合的な相談に対応できるでしょう。

 また、民間の介護支援を利用するのもひとつの方法です。会社や組合が従業員向けに介護相談の窓口を設置していたり、生命保険やクレジットカードなどの契約後のサービスとして電話相談に応じているところもあります。

 当サイト(介護総合情報サイト「MY介護の広場」)でも多くの情報提供を行なっています。社会にある制度やサービスを上手に活用して、ケアマネジャーと連携しながら、あなた自身の介護負担を軽減してください。

 介護するご家族が十分な休養と睡眠、自分に合ったリラックス法を見つけ、ストレス解消ができれば、気持ちに余裕がうまれます。あなたと介護を受けるお母様が穏やかな関係を続けられることを願っています。

【執筆者プロフィール】

河内 律子/こうち りつこ

介護現場で介護職と介護支援専門員、教育現場(田園調布学園大学人間福祉科など)で非常勤講師を務めた。
現在は介護労働安定センター研修講師・山野美容専門学校美容福祉にて非常勤講師。

親族による介護の悩み

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