MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  親族による介護の悩み・母に認知症の兆し

母に認知症の兆し

一般公開日:2022.3.20

<質問>

 母は認知症の始まりだと思うのですが、本人は認めず医者に行きたがりません。ムリしても医者に連れて行った方がいいでしょうか。

<回答>

 高齢者と同居するご家族は、お年寄りが何度も同じことを聞いてきたり、忘れ物が多くなったりと日常生活の変化から「もしかしたら認知症かもしれない」と気付くことがあります。

 認知症は誰もがかかる可能性のある脳の病気です。個人差はありますが一般的に徐々に症状が進行していきます。兆候があった場合、早期に受診して診断を受け、症状が軽いうちに適切な処置をうけることで進行を遅らせる、または症状を軽減することなどが期待できます。

 お母様自身も今までと何か違う自分に、「何か変だ」と不安や戸惑いを感じながら生活をしているかもしれません。また、自分が認知症と認めたくない気持ちや、認知症であることの認識がない場合もあり、病院の受診を嫌がるのかもしれません。

 このような場合は無理強いをしないことが大切で、強く勧めると不安感からさらに強い拒否につながることがあります。お母様には、「いつまでも元気でいてもらいたいので健康診断を受けてほしい」などと伝えましょう。家族から気遣ってもらえると感じることで拒否の態度が和らぐこともあります。

 例えば、市区町村の健康診断の機会を活用し健康診断とあわせて受診することで、納得してもらえる可能性があります。

 やはり、頼りになるのはかかりつけ医でしょう。ご家族はかかりつけ医にお母様の日頃の様子や変化をまとめておいて、事情を説明しておくと良いでしょう。かかりつけ医に受診して認知症と診断されたら、認知症専門医につなげてもらうことも必要です。認知症専門医から正しい知識と介護のアドバイスを受けることで、お母様の不安感と家族の負担が軽減すると思います。

 その後も定期的な通院が必要になりますので拒否なく受診が続けられるよう、医師、お母様、家族の間で信頼関係を築くことが大切です。

【執筆者プロフィール】

河内 律子/こうち りつこ

介護現場で介護職と介護支援専門員、教育現場(田園調布学園大学人間福祉科など)で非常勤講師を務めた。
現在は介護労働安定センター研修講師・山野美容専門学校美容福祉にて非常勤講師。

MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  親族による介護の悩み・母に認知症の兆し