MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  人生100年時代。歯を長持ちさせよう!・歯の健康のためのルール

歯の健康のためのルール

一般公開日:2022.9.18

 今回から、具体的な歯の健康について考えていきます。

Q.どんな歯磨き剤を選ぶといいのでしょうか?

A.ご自身の目的に合った物を選びましょう。
自分の現在の歯や口内環境にあわせて、適切な歯磨き剤を選ぶようにしましょう。
歯磨き剤には以下のような種類があります。

  • むし歯予防...
    高濃度のフッ化物が配合されている物がお薦めです。フッ化物によって、再石灰化を促したり、プラークのなかの細菌の活動を抑えたり、使い続けることで歯を丈夫にする効果も期待できます。
    強すぎる研磨剤が入っている歯磨き剤によって、歯の表面のエナメル質が傷ついてしまい、知覚過敏になってしまうこともあるので注意してください。
  • 歯周病予防...
    抗炎症成分が入っていたり、血行促進作用がある物、殺菌力の高い物などがお薦めです。
  • ホワイトニング...
    こちらはホワイトニングというよりは着色汚れを落とす物で、歯本来の色を取り戻します。専用の研磨剤や有効成分が着色汚れを浮かせて落とします。
    「歯をしっかりと白くしたい」ということであればやはり歯科医院でのホワイトニングを検討してください。
  • 歯根部のケア...
    歯周病や歯の磨きすぎで歯ぐきがやせて歯根が露出してしまった場合は研磨剤の入っていないジェルタイプがおすすめです。優しく磨きましょう。
    また、歯根はむし歯になりやすいので高濃度のフッ化物が入っている物を選びましょう。

 また、歯磨き剤は最後のすすぎ方がポイントです。フッ化物が配合された歯磨き剤を使う場合、水の量は少量で1回だけすすぎます。そうすることでフッ化物がお口のなかにとどまりやすく、歯が再石灰化され、強化されます。

 では、具体的にダブルブラッシング法をご紹介します。いつもの歯磨きの後、1回目はしっかりとすすぎます。その後2回目には、高濃度のフッ化物が配合されたジェルタイプの歯磨き剤を用います。
 イメージとして歯を磨くというよりはジェルを塗り込み、隅々まで行きわたらせるイメージです。最後に少量の水で約5秒間、1回だけすすぎます。もしくは余ったジェルだけ吐き出します。

Q.歯磨きはいつするのがいいでしょうか?

A.食後すぐに歯磨きをするのが理想ですが、できないときのアドバイスもお伝えします。
食事の後、私たちの口のなかは、一時的に中性から酸性へと変化します。この後30分ぐらいかけて唾液の効果でお口のなかは中性に戻っていきます。
しかし、この「時間」はいろいろな要因の影響を受けます。

 例えば、キャラメルやチョコレートなど砂糖が豊富で粘着質の物や、ビスケットやポテトチップスなど歯の隙間に残りやすい物は、細菌の栄養源となるだけでなく、中性に戻るのを邪魔してきます。
 お口のなかが酸性の時間が長いとそれだけ歯が溶けてしまうリスクが高くなります。つまり、いかに酸性の時間を短くするのが大事であり、そのためには食後すぐ歯磨きをするのが理想的という訳です。

 ただし、「仕事していてそんなすぐに歯を磨けないよ」という声も多数いただきます。そんな時は一杯のお茶やお水をゆっくり飲んでもらうか、ノンシュガーのガムを噛んでください。
 ガムは食後の眠気を吹き飛ばすにも有効であり、唾液も継続的に出ます。さらに唾液の中和作用で速やかに中性に戻ります。

 さらに詳しい話は拙著「人生100年時代 歯を長持ちさせる鉄則」に掲載しています。
 好評発売中ですのでぜひ一度読んでみてください。

【執筆者プロフィール】

魚田 真弘/うおた まさひろ

エンパシーデンタルクリニック院長。
歯一本単位でなく顔面や全身との調和を目指す「全体治療」、口と全身の関係に配慮した「医科歯科連携」、原因を追究する「根本治療」に注力。
著書に「人生100年時代 歯を長持ちさせる鉄則」。

人生100年時代。歯を長持ちさせよう!

MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  人生100年時代。歯を長持ちさせよう!・歯の健康のためのルール