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新田社労士監修・両立マニュアル「仕事を辞める」ことは
考えない!

「介護か仕事か?」、仕事を辞めるデメリット・続けるメリットは?
両立のキーポイントとは?専門家によるエッセイをご紹介します。

仕事を辞めることによるデメリット

 介護が必要になったとき、あなたはどうしますか?
 今は「介護か仕事か」の二者択一で考える人が多いのですが、少子高齢化の加速がより深刻になっていく今後は、両立の方法を考えたいものです。介護離職者が増え続けていけば、個人の生活はもちろんのこと、会社も日本も立ち行かなくなってしまいます。
 しかし、身内に介護が必要になったときに、頼れる兄弟親戚がいないために、ひとりで介護を抱え、仕事との両立がうまくいかずに辞めてしまう人が後を絶ちません。

 では、仕事を辞めたら楽になるのでしょうか?
 「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」では、離職前と後の変化を精神面、肉体面、経済面で訊いていますが、大半の人がどの面でも離職後の負担が増したと回答しています。
 また離職して介護に専念したとしても、看取った後に、離職前と同様の条件で再び働くことは大変難しいという現実があります。

仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査【離職者】離職後の変化

「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」

出典:仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査(平成24年度厚生労働省委託調査)

仕事を続けることのメリット

 仕事を続けていれば、安定した収入が入ります。そのお金で介護保険や自治体、民間のサービスを利用することができます。自分ひとりで介護を背負い込むのではなく、外部サービスを上手に利用しながら介護を続けていくことを考えましょう。

 また仕事を続けていれば、毎月一定の収入が確保できますので、自分自身の老後の生活の支えにもなるのです。仕事を続けることのメリットは経済面だけではありません。仕事を辞めて介護一色の生活になってしまうと、精神的にも追い詰められてしまいます。

 しかし仕事を続けていれば、介護から解放された時間を持つことが可能になります。いつまで続くのか見通しが立たない介護だからこそ、自分自身の心身の安定を保てる状況を作ることが大切なのです。

 また、心に余裕があればこそ、要介護者に対しても優しい言葉で接することができるとも言えるでしょう。

両立のためのキーポイント

 仕事と介護の両立は誰にとっても身近な課題であることには違いありません。会社にとっても、コア人材がいきなり離職してしまうようでは困りますので、離職防止の職場づくりが急務です。

 従って介護をプライベートな問題ととらえてひとりで悩むのではなく、組織全体で支えあっていくためにも、会社に相談しましょう。会社で利用できる制度があるかもしれませんし、介護がしやすいように配慮してくれることも考えられます。

 また、要介護者のお世話をしてくれる介護サービスの提供者、ケアマネジャー、かかりつけ医、ご近所の方々との連絡を密にとり、困ったことはいつでも相談できる関係を築くことも大切です。福祉や介護のサービスは複雑なので、なかなか理解できないものですが、自分から情報を集め、困ったことは相談することで、仕事を続けていても必ず両立できる道が開けることでしょう。

仕事と介護を両立させる秘訣

会社の制度、介護保険
自治体や民間のサービス

介護・福祉制度や
サービスの利用

家族、職場、地域での

コミュニケーション支え合い

【執筆者・監修者プロフィール】

新田にった 香織かおり

グラース社労士事務所代表。
特定社会保険労務士。

人事系アウトソーシング会社、社会保険労務士事務所に従事、その後グラース社労士事務所を設立。
ワーク・ライフ・バランスを中心にした講演、執筆、コンサルティングを行なう。

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