介護付き有料老人ホーム
一定の設備や基準を満たし、「特定施設入居者生活介護」の指定を都道府県から受けた介護施設で、介護が必要になった場合、介護保険を利用して介護サービスを受けることができます。
基本DATA
特徴
- 介護付き有料老人ホームは、民間が運営する施設のため、運営方針や個性、入居費用もバラエティーが豊かで、数も比較的豊富です。そのため、自分に合った施設を選べるというメリットがあります。
- 重度な介護ニーズや医療的ケアのニーズにどこまで対応してくれるかは、施設によって異なりますので、施設を探す際に確認しておきましょう。
入居対象
要支援・要介護の介護認定を受けた人のみの場合もあれば、自立した人も対象になる場合があります。
費用の目安
入居一時金 0~数千万円
月額利用料 15万円~
費用には、複数の支払い方式があります。
有料老人ホームの利用費用の総額は、家賃の前払いに相当する「入居一時金」と、管理費と食費を含む「月額利用料」、「介護保険自己負担金」の三つの合計になります。
入居一時金の支払いには、次のような様々な方式があります。
▼表は左右にスクロールできます。
支払い方式 | 概要 | 留意点 |
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一時金方式 | 終身にわたって必要な家賃相当額を前払い金として一括で支払う方法 |
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月払い方式 | 家賃相当額を月払いする方法 |
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併用方式 | 一時金方式と月払い方式の両方を併用する方式 |
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選択方式 | 一時金方式、月払い方式、併用方式のいずれかを選択する方式 |
高齢者向け入居施設を選ぶ際の
ポイント
施設の選択に際しては、次の各ポイントをチェックしましょう。
立地
介護が必要になっても、ショッピングや観劇などを楽しみたいという人であれば、街中の施設を。静かで自然に恵まれた環境がお好みであれば、郊外の施設を選んだほうがよいでしょう。
また、家族が訪れやすい立地にあるかどうかという点も選択の重要なポイントになります。
経営状態
介護付き有料老人ホームは民間の施設のため、経営状態が悪化すれば、施設の存続が危機に陥る場合もありえます。そのため、経営状態が良好かどうかをチェックする必要があります。その目安となるのが、施設の入居率です。開設後ある程度の期間を経ているのに、空き部屋が多い(入居率が低い)場合は注意が必要です。
職員体制
介護付き有料老人ホームは、要介護者3人に対して介護・看護職員ひとりを配置することが最低基準として法律で定められています。
ただし、実際にはこの最低基準通りの体制では充実したサービスの提供が難しい場合もあるので、より手厚い職員介護体制を敷いているホームもあります。
また、経験豊かな介護スタッフが多い施設のほうが安心です。
居室・共用スペースの設備と配置
居室に関しては、車いすでの利用に不便がないよう、居室やトイレ入り口の幅、収納スペースの広さなどをチェックしましょう。その他、ナースコールの設置場所、テーブルやイスなどの備品は付属しているかも確認したい点です。
共用スペースについては、廊下の幅や、浴場、食堂、リビングなどを何人で共用しているかをチェックする必要があります。
また、遠方から訪れた家族が滞在できる部屋が施設内にあると便利です。
日常生活支援サービス
洗濯、居室の清掃、ゴミ出し、買い物や各種手続きの代行、宅配便の取り次ぎやタクシーの手配など、どんな日常生活支援サービスのメニューが用意されているかをチェックしましょう。
食事サービス
施設で暮らす高齢者にとって、食事は大きな楽しみです。複数のメニューのなかからお好みの献立が選べる選択食が提供されているか、栄養面だけでなく、季節に配慮した献立や盛りつけなどで、楽しく食事ができるよう工夫されているかなどもチェックしましょう。
医療的ケアの提供体制
看護師が365日・24時間常駐している施設もあれば、夜間や週末・祝日は不在となる施設もあります。経管栄養、点滴、痰の吸引などの医療的ケアを日常的に必要としている人の場合、看護師が365日・24時間常駐している施設を選ぶことが望ましいでしょう。
協力医療機関
介護付き有料老人ホームは、協力医療機関をもつことが基準として定められています。
ただし、実際にどのような医療機関とどの程度の協力体制を敷いているのかは施設によって異なります。例えば、その医療機関が施設の入居者を優先的に入院させてくれるかなどを確認する必要があります。
行事・レクリエーション
介護付き有料老人ホームでは、入居者の誕生会や、お花見などの季節ごとのイベント、趣味のサークルまで、様々なアクティビティーが行なわれています。その内容をホームページやブログで公開しているホームもありますので、ぜひチェックしましょう。こうした活動を通じ、施設内で知人・友人ができれば、入居後の満足感がさらに高まります。