介護老人保健施設(通称:老健)
集中的なリハビリテーションを受けて、在宅復帰をめざす人のための介護保険施設です。3ヵ月をめどに退所指導が行なわれるため、長く"住む"というより限られた期間"滞在する"という色彩が濃い施設です。
基本DATA
特徴
- 比較的病状が安定している人がリハビリテーションや看護、介護、限定的な医療を受けながら、在宅復帰をめざすための介護保険施設です。
- 3ヵ月を目安に退所指導が行なわれます。そのため、居住の場というより、一時的な滞在の場ととらえたほうがよいでしょう。
入居対象
要介護1以上の介護認定を受けている人。
費用の目安
月額費用 10万円~(食費込み)
高齢者向け入居施設を選ぶ際の
ポイント
リハビリテーションの実施体制
介護老人保健施設の最大の特徴は、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフが勤務し、短期に集中的なリハビリテーションを提供してくれる点にあります。そのため、入居に際しては、リハビリテーションの実施体制をチェックする必要があります。
具体的には、リハビリテーションを1日何時間提供してくれるのか、どのようなプランに基づき、最終的にどのような機能回復をめざしてリハビリテーションを行なってくれるのかをまずは確認しましょう。単独で歩けるようになるといった身体機能の回復以外にも、料理や洗濯物の折りたたみなど、自宅に戻った場合の生活シーンを想定して能力の回復を図ってもらうことがベストです。
また、実際にリハビリテーションが行なわれている現場も必ず見学し、理学療法士や作業療法士がリハビリを受ける人にどう接しているか、リハビリ室の雰囲気がよく、活気にあふれているかなども確認しておいたほうがよいでしょう。
リハビリテーションがうまくいけば、自宅に戻ってから、介護される人の自立度や生活の質も高まり、家族の負担も軽くなります。
設備・立地
介護老人保健施設の居室は、何人かで1室を共用する相部屋タイプのものと、個室タイプのものに分かれます。プライバシーを大切にしたい人の場合、個室タイプが利用可能な施設を選んだほうがよいでしょう。
共用部分には、娯楽室や食堂などがあり、その広さや清潔感、明るさなどもチェックポイントになります。なかには、リハビリテーション施設としてプールなどを備えた施設もあり、そうした設備が利用できれば、リハビリテーションがより楽しくなる可能性が高まります。
立地はもちろん環境がよく便利なところがベストですが、長く住み続ける施設ではないため、リハビリテーション体制が充実していれば、ある程度、妥協することも必要です。
レクリエーション・イベント
介護老人保健施設では、機能改善をめざす体操やレクリエーションなども盛んに行なわれます。
利用者を飽きさせないような、バラエティーに富んだレクリエーションメニューが用意されているかどうかチェックしましょう。
また、誕生会や、地域の人たちと交流できる各種行事など、施設ごとに個性的なイベントを企画しているかどうかも選択のポイントになります。
介護老人保健施設での医療サービスに
ついて
介護老人保健施設には、医師も看護師も必ず常駐しているため、特別養護老人ホームよりも充実した医療サービスを受けることができます。
ただし、専門の医療機関でなければ対応できないような特別な医療ニーズには応えてもらえないため、リハビリテーションに専念できる状態まで病状が回復し、かつその状態で安定している人のみが利用の対象になります。