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事例10 『不動産担保型生活資金』を活用する(1/2)

 吉田治夫さんは長男の健介さん家族と同居し、脳梗塞の後遺症が残った妻の弓子さんの介護をしています。

 しかし、健介さんは転勤が決まり、夫婦ふたりで暮らすことになりました。長男夫婦と別居になると、介護も心配ですが、生計が別になり、年金だけで家計を維持することは難しくなりそうです。今後の生活資金をどうするのか、家族で相談しています。

吉田弓子さんの家庭状況

吉田弓子さんの場合

プロフィール

年齢 70歳
家族 【同居】
治夫さん(夫)73歳
【同居→別居】
健介さん(長男)46歳、
景子さん(長男の妻)
41歳、
その子ども1人
【別居】
次男43歳
要介護度 要介護1

家族の経済状況

月収
(内訳)
合計 約77万円
治夫さん 約16万円
(厚生年金+国民年金)
弓子さん 約6万円
(国民年金)
健介さん 55万円
預貯金
(内訳)
合計 1,200万円
治夫さん 500万円
健介さん 700万円
資産 自宅(土地・建物)
時価3,000万円

※登場人物はすべて仮名です。

自宅はあるけど預貯金が少ない

 吉田治夫さん夫妻は東京の郊外に暮らしています。長男の健介さんが結婚を機に同居を始め18年が経ちました。治夫さんの定年後は年金と健介さんの給料を合わせ、生計を共にしながら生活をしてきました。

 3年前、治夫さんの妻弓子さんが脳梗塞になり、後遺症が残り、要介護1と認定されましたが、介護や家事は長男の妻景子さんが引き受けてくれ、それほど不自由を感じずに暮らしてきました。

 ところが、健介さんが仙台に転勤することになり、孫娘も京都の大学に合格し、一人娘が心配な景子さんは娘と一緒に暮らしたいと言いだしました。家族で何度も話し合った結果、景子さんも一緒に京都に行くことになり、家族が3箇所に別れて暮らすことになりました。弓子さんの介護の不安もありますが、これから健介さん夫婦と別居となると、自宅はあるものの年金だけの生活になり、預貯金もあまり多くないことから今後の生活費が心配です。

 健介さんの転勤は期限があるわけではなく、いつ帰ってくるのかわかりません。治夫さん夫婦が息子の転勤先に一緒に行くことも考えましたが、脳梗塞の後、表にでたがらない妻は行きたがりません。今後の生活をどうしていくか息子たちと相談しながら考えていくことにしました。

どうしても自宅に住み続けたい

 ふたりの息子たちから支援をしてもらうことも考えましたが、それでなくとも健介さんは2世帯の生活費が必要になり全く余裕はありません。次男も子どもたちの教育費や住宅ローンなどがあり、あまり負担をかけたくありません。

 有料の老人ホームの入居や高齢者向け住宅への住み替えなどを念頭に自宅の売却や賃貸も検討しました。しかし、妻は「どんなに生活費を切り詰めてもいいから、思い出が詰まった我が家に住み続けたい」と言います。

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