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1.ドールセラピーとの出会い

 個人差はもちろんありますが、認知症の方は表情にとぼしく、口数も少なくなりがちです。
 もの忘れや、居場所がわからなくなったり、寒暖に応じて着込んだり薄着になるといった、今まで普通にできていたことができなくなる過程で、どんどん自信をなくしていくからです。

 ところが、芹澤さんが2000年ごろにオーストラリアの老人介護施設で会った、二人の老婦人は違いました。
 認知症のお年寄りが集うスペースで二人はいきいきとした表情で、なにやら楽しげに話しこんでいます。腕には赤ちゃんを抱いていました。「老人ホームに赤ちゃんがいるの?」と思い近づいてみると、それは赤ちゃんそっくりのお人形さんです。
 これが、芹澤さんとドールセラピーとの出会いでした。

 ドールセラピーはオランダで始まったと言われ、日本では「人形療法」「赤ちゃん人形療法」とも呼ばれ、施設などを中心に少しずつ広まっています。現在、ぬいぐるみや、笑ったりおしゃべりする赤ちゃん人形など、セラピーを受ける人に応じていろいろな人形が使われています。

 芹澤さんは、オーストラリアでの出会いをきっかけに、「たあたん」という赤ちゃん人形を作りました。
 かつては、多くの家庭に本物の赤ちゃんと同じくらいの人形があったものですが、90年代の日本では見つけられなかったのです。「たあたん」は体重1,400グラム、身長47cm、軟性プラスチックのボディーは本物の赤ちゃんのように柔らかで、横にすると目を閉じます。

 現在は、この「たあたん」以外にも、いろいろな赤ちゃん人形が発売されています。


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