2.アニマルセラピーの効果
古代ローマ時代、戦争で傷ついた兵士たちのリハビリに乗馬が用いられたといいます。
「盲導犬」の歴史も古く、ポンペイの壁画や13世紀の中国の絵巻物にすでに盲導犬が登場します。第一次世界大戦後にドイツで失明した軍人のために、盲導犬訓練が組織され、世界各国に広がりました。
このように、人々は古くから動物と深く関わってきました。
治療目的で動物が登場したのは、18世紀末のイギリス、ヨーク収容所においてでした。精神障害者を収容する施設だったヨーク収容所では、自分をコントロールさせるために動物の世話をさせました。
適度な刺激が、脳や筋肉に心地よい――乗馬療法
馬の歩くリズムや振動が身体に伝わり、脳に刺激を与えます。またバランスをとろうとすることで、筋肉にも適度な刺激が与えられます。
こうしたことから、乗馬は麻痺を伴う神経障害にきわめて有効な治療法であると言われています。
人々の中から病人を見つけ出す!?――イルカ療法
イルカと一緒に泳ぐことが自閉症やうつ病の治療に有効だとされています。最近では、がんや交通事故の後遺症の治療など、身体的な治療効果も注目されています。
イルカやゾウには怪我をした仲間をかばう性質があり、人間のなかから病人を見つけ出すことができるようです。例えば、左半身が麻痺した人であれば、イルカは左に回りその人を支えるような位置で泳ぐそうです。
水中では無重力になるなどの、水がもたらすヒーリング効果も見逃せません。
人間と共に生きる動物たち――犬、ネコ、ウサギなど
医療関係者の指示に従い、歩行訓練、立位バランス訓練、移動訓練などを施します。
歩行訓練の一例をあげれば、犬に「お座り」「待て」などの指示を出しながら一緒に歩いたりします。また、犬、ネコ、ウサギを患者さんから離し、そこに近づくようにさせます。その距離をだんだん広げることで歩行の訓練とします。
訓練する楽しみも与えてくれる――犬、小鳥
犬に「お座り」「待て」などの指示を出します。また、小鳥が覚えている言葉を言って、小鳥の言葉を引き出します。