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こんな症状があるときは、どうすればいい?認知症 前期(出現期)

監修:医療法人社団至髙会・たかせクリニック理事長
 髙瀬義昌

小さな変化に「認知症かも?」と、
早く気づいてあげることが大事です。

多くの場合、もの忘れから始まり、他の認知機能低下はあまり目立たずに生活しているので、認知症とは気づきにくい時期です。正常と認知症のときが混在し、年月や曜日を覚えていなくても、「もう毎日が日曜日だから、気にしてないので」などと取りつくろいも上手いので、ますます周囲が判別しにくい状態です。しかし、この時期に認知症を見逃して、覚えてないことや失敗を怒ったり、責めたりすると、進行が早まります。

小さな変化に「認知症かも?」と、
早く気づいてあげることが大事です。

多くの場合、もの忘れから始まり、他の認知機能低下はあまり目立たずに生活しているので、認知症とは気づきにくい時期です。正常と認知症のときが混在し、年月や曜日を覚えていなくても、「もう毎日が日曜日だから、気にしてないので」などと取りつくろいも上手いので、ますます周囲が判別しにくい状態です。しかし、この時期に認知症を見逃して、覚えてないことや失敗を怒ったり、責めたりすると、進行が早まります。

3つの「ない」に気をつけて!

怒らない

いくら言っても同じものを買ってくるとか、同じことを聞いてくるようになっても、「何度言ったらわかるのっ!」などと怒らないこと。怒られて"怖い"という思いがさらに脳を委縮させるリスクになります。

命令しない

放っておくと心配なことが出てきたので、「ああしなさい、こうしなさい」と命令口調で管理しすぎるのも逆効果です。いろいろ言われてもできないので、元気がなくなる人と怒りっぽくなる人がいます。

見逃さない

家族がいても、認知症による記憶や言動の変化を年のせいにして見逃すことがありますが、一人暮らしだとなお誰にも気づかれにくいもの。早く気づいて、介護保険サービスなどにつなぎましょう。

前期の特徴

  1. もの忘れをして思い出さず、もの忘れしている自覚がなくなる。

  2. 暗算やお金の計算、管理が苦手になってくる。

  3. 同時に2つのことをやることが困難になってくる。

  4. 几帳面だった人でも、きちんと準備して計画通りやり遂げるのが困難になる。

  5. 横着になり、出不精で自分からは何もしたがらなくなる。

  6. 以前と比べて、いきなり無気力になってくる人もいる。

  7. 日付や年度が不確かになってくるが、場所はだいたいわかる。

こんな状態が現れたときには...

Case1

よくあるのが、この行動。買ってくるのは食品や調味料、雑貨など、人によりいろいろ。家族が好きで切らさないようにしていたものや、体にいいと言われているものなど、それぞれ思いが込められています。それを怒ると精神症状が不安定になります。

同じものを何度も買ってくる!
ばつ
怒っちゃダメ!責めてはダメ!
まる
一緒に行くか、お店の人にも頼んでおく

ほぼ買う場所が決まっています。
本人の思いを伝えたうえで、他のものをすすめてもらうように。

Case2

お金の計算が苦手になり、小銭を数えてもすぐに必要な金額が揃えられないので、お札ばかり使うようになる人もよくいます。もらったおつりで小銭がたまるので、家に帰ると毎日、小銭を缶に入れているなど、まだしっかりしている面も。

何でもお札で買って、毎日小銭がたまる
ばつ
一人暮らしなので誰にも気づかれない
まる
「認知症かも」と早く気づく

一人暮らしでは、気づかれないまま認知症が進行。
こまめに見に行くか、見守りサービスをつけて早期発見を。

Case3

大事なものを置く場所は決めていたはずなのに、そこに置かなくなる理由は大事なものだから。見えないところにしまったほうが安全だと思い、しまった場所を忘れます。この気持ちを理解せずに攻撃すると、もの盗られ妄想が出現することが。

大切なものだから大事にしまい、忘れる
ばつ
忘れたことを責めたり、攻撃してはダメ!
まる
しまい場所を観察しておく

攻撃しなければ、ほぼ同じ場所にしまうので観察を。
大きな赤い字で張り紙しておきましょう。

Case4

定年後しばらくは昔の仲間と活動していたのに、だんだん出不精で動かなくなってくることが。トイレが近くなり、
不安で出掛けないなどの理由があるかもしれないので、いきなり無理矢理追いだすのはタブー。頑なになると逆効果です。

誘いを断り、出掛けなくなる
ばつ
年のせいと決めつけないで
まる
粘り強く背中を押す

認知症かもしれないので、体調の相談もできる介護予防施設などを
何回もすすめてみましょう。

Case5

飲むのを忘れるだけでなく、いつ、何をいくつ飲むのかよくわからなくなってきて、服薬が面倒になる人もいます。
一人暮らしの親を定期的に訪ねているときは、必ず服薬状況のチェックを。飲めていないときには介護保険の申請を。

薬をきちんと飲んでいない
ばつ
本人に「しっかりしろ!」と言わない
まる
介護保険サービスを使う

怒っても解決しません。認知症に気づいて、訪問薬剤師などに入ってもらいましょう。

こんな症状があるときは、どうすればいい?
認知症の進行度合いに
応じた対処方法

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