ひとり暮らしの親の薬管理
多種類の薬を服用している親は多いのではないでしょうか。同居していれば、「間違えないで服用している?」と確認することもできますが、ひとり暮らしの親はそれが難しいといえます。
ヨウコさん(仮名)の父親(88歳)は隣県でひとり暮らしをしています。複数の病院にかかっており、毎食後大量の薬を服用するそうです。飲み忘れた薬がたまり、薬箱に入りきらず、薬局の袋に入ったまま置かれています。「間違って飲まないか」とヨウコさんは気が気ではありません。
このような時、まず、親が「かかりつけ薬局」を決めているかどうか確認しましょう。複数の病院にかかっていても、薬は1ヵ所の薬局から処方してもらうほうが安心です。飲み合わせの問題を予防できます。もちろん、「お薬手帳」も作ってもらって。また、薬管理用のケースやカレンダーを利用すれば、飲み忘れを予防することもできます。
それでも、認知症などで本人が管理することが難しいようなら、薬剤師が自宅を訪問して管理を手伝ってくれる介護保険の居宅療養管理指導の利用をおススメします。利用を検討するなら、医師や薬剤師、ケアマネジャーに相談してみましょう。
【執筆者プロフィール】
太田 差惠子/おおた さえこ
介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長。
1994年頃より高齢化社会を見すえながらの取材、執筆を開始。
96年、親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」を立ち上げる。
2010年立教大学大学院にて、介護・社会保障・ワークライフバランスなどを体系立てて学ぶ。著書多数。
関連著書紹介
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老親介護とお金 ビジネスマンの介護心得