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運転の「やめどき」を調べるための運転適性検査

一般公開日:2021.09.19

 運転適性検査というと教習所に入ったときに最初に行なった性格検査や知能検査に似たものを思い浮かべる人が多いでしょう。これは心理的運転適性検査ですが、たとえ低く評価されても免許取得には影響しません。

 一方、視力(両眼で0.7以上)や色彩識別能力(赤、青、黄の区別)や運動能力(体幹や四肢の障がいがない)といった心身能力は、運転に必要な基本的能力を測定する適性検査で、運転免許試験の一部となっています。これらは免許更新時にも測定されていますから、これに合格すればまだ運転をやめる必要はないでしょう。

 ただし、こういった検査は安全運転の必要条件であるに過ぎませんし、次の更新までの間に低下する恐れがあります。

 高齢になると運転に支障を与える心身機能が低下していきます。なかでも注意機能の低下は事故の原因となりやすいものです。高齢者講習ではこうした注意機能を調べるシミュレータを用いて運転適性検査を実施しているところもありますが、動体視力や夜間視力や視野が測定されているだけのところも多くあります。

免許拒否となる病気も

 免許が取得できなかったり拒否されたりする可能性が高い病気がいくつかあります。統合失調症やそううつ病、てんかん、アルコールや覚せい剤などの中毒、再発性失神などです。認知症もその一つで、これは75歳以上の高齢者講習で認知機能検査として詳しく調べられています。これ以外の病気や障がいであっても、自分や家族が危ないと思ったら運転の「やめどき」です。

【執筆者プロフィール】

松浦 常夫/まつうら つねお

警察庁科学警察研究所 交通安全研究室主任研究官などを経て、現在、実践女子大学教授。交通心理学の専門家として、交通事故などの研究に携わる。
「高齢ドライバーの安全心理学」など著書多数。

運転の「やめどき」の判断と免許返納後のケア

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