MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  運転の「やめどき」の判断と免許返納後のケア・免許返納後は公的サポートがある

免許返納後は公的サポートがある

一般公開日:2021.09.19

免許返納後の移動にかかわる支援には3種類

 1つは地域のバス・電車路線などの公共交通機関の整備をしたり、自宅周辺を歩きやすい環境へと整備したりすること(ウォーカビリティの向上)です。利用者の減少によって採算が取れなくなった路線などに、コミュニティバスや乗合タクシーを導入している自治体も多くあります。

 2つめはバスやタクシーなどの公共輸送機関の運賃割引や病院や食料品店などへの送迎といったソフト面のサービスです。

 3つめは、自らが移動しなくても相手が自宅に来てくれるサービスで、在宅医療や宅配や移動販売などがあります。

 1つめと3つめは免許返納者に限りませんが、2つめの運賃割引は運転免許を持っていた人が自主返納した場合に発行される運転経歴証明書の特典の1つです。

 こうしたサービスを知らない高齢者もいるようですが、理想的には免許を返納する前にサービス内容を予習しておくことです。もっとよく知りたい人は、地元の警察署、市役所、地域包括支援センターなどに問い合わせしましょう。

 支援センターは自治体が設置している機関で、介護・医療・保健・福祉面から高齢者を支えるための総合相談窓口です。各専門家が日常生活支援から介護相談までさまざまな相談に応じてくれます。認知症となり免許を返納した人で日常生活の支援が必要な場合は、介護保険を申請しましょう。

 介護保険の申請は支援センターで受け付けており、本人や家族の申請が難しい場合は代行してくれます。

【執筆者プロフィール】

松浦 常夫/まつうら つねお

警察庁科学警察研究所 交通安全研究室主任研究官などを経て、現在、実践女子大学教授。交通心理学の専門家として、交通事故などの研究に携わる。
「高齢ドライバーの安全心理学」など著書多数。

MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  運転の「やめどき」の判断と免許返納後のケア・免許返納後は公的サポートがある