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ケアマネの役割

一般公開日:2022.3.20

Q.友人の親を担当するケアマネジャー(以下ケアマネ)は、何でも希望を聞いてくれるといいます。しかし、母の担当ケアマネは融通が利かないのか、ときどき断られます。なぜでしょうか。

A.ケアマネの主な役割は、要介護認定を受けた方が自立した日常生活を送れるようサポートすることです。

 さて、「友人の親のケアマネは何でもいうことを聞いてくれるのに、うちのケアマネは融通が利かない」というのは、よく聞く話です。相談業務はケアマネの仕事ですが、「何でも言うことを聞いてくれる」の「何でも」が問題です。「聞いてくれる」は、何を望むかによって違ってきます。

 ケアマネは家族でも親戚でも、まして便利屋でもありません。

 例えば、書類仕事として要介護認定や、介護認定有効期間の更新の手続き、また市区町村が実施している介護保険以外の高齢者向けの福祉サービスなどの申請はできますが、介護と関係のない行政手続き、例えば税金の支払いなどはできません。

 また、定期訪問面接時、せっかく来たのだからと電球の交換やゴミ出し、買い物などを頼まれても応じかねます。できるのはあくまで介護にかかわる「相談ごと」。必要であれば、家事援助など生活支援サービスの提案、紹介をします。

◆具体的にはケアマネの仕事は以下のようなことです。

  • 自宅にいながら利用できる介護サービスが適切に利用できるよう、計画書(ケアプラン)を作成する
  • 要介護者(要支援者)本人や家族の要望を伺い、介護サービスを行なう事業所の情報を収集し紹介する
  • サービスを利用した後のフォロー
  • 介護保険施設への入所を要する場合の紹介や必要な支援をする
  • 介護サービスの利用で発生する金銭の管理をする

 この範囲でサポートしているのは、どのケアマネも同じです。

 しかし困っていることがあれば、ケアマネの仕事かどうか迷っても、相談してみましょう。話から解決の手段が見つかることもあるでしょう。依頼したことがケアマネの業務外であれば対応できる機関を紹介してもらえるかもしれません。

 経済的に困窮しているということであれば、生活保護や生活困窮者支援などの行政の窓口につなぐことはできます。「できないこと」は、なぜできないか説明がありますし、「できること」は全力でやってくれるはずです。遠慮なくお話しください。

【執筆者プロフィール】

石井 百合子/いしい ゆりこ

産経新聞TVウイークリー編集部を経てフリーライター。
現在は認知症共同生活介護・グループホームにて介護支援専門員。

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