ケアマネの探し方・選び方
Q.ケアマネジャー(以下ケアマネ)の探し方、選び方のポイントを教えてください。
A.介護認定されてサービスを使う時は、ケアマネにケアプランを作成してもらいます(利用者や家族がケアプランを自己作成することも可能ですが、ここでは省略)。以下、探し方・選び方のポイントをご紹介します。
まず、ケアマネの在籍している事業所を探します。
ケアマネは自治体から指定を受けた居宅介護支援事業所に所属しています。居宅介護支援事業所のリストは市区町村の介護保険担当窓口か地域包括支援センターで入手できますが、リストにずらっと並んだ事業所の中からどこを選んだらいいのか途方に暮れることがあるかもしません。
役所も地域包括支援センターもリストは渡してくれますが、公正中立の立場からどこの事業者がいいかなどの推薦や紹介はしない方針をとっていることが一般的です。探すのはご自分です。ただ、医療が必要など具体的な要望を伝えれば、探し方のアドバイスはいただけるかもしれません。
そのほか、主治医からの紹介、利用した人の口コミも参考になるかもしれませんが、自分以外の方には合っていても、自分には合わないということもあるかもしれません。
次に、リストの見方をご説明します。
居宅介護支援事業者リストには住所、電話番号のほか運営母体や、併設する事業、所属するケアマネの人数などが記載されています。居宅介護支援事業所には独立型と併設型があります。独立型は居宅支援サービスが中心で、併設型はデイサービスや看護ステーションなどを併設しているところです。
また、所属人数が多くフォローアップ体制が整っている事業所もあれば、少人数でもベテランのケアマネが開業している事業所もあるので、人数だけで事業所の良し悪しを評価するのは難しいでしょう。
選ぶポイントのひとつに「特定事業所加算」を受けている事業所かどうかということがあります。特定事業所加算を受けている事業所は24時間連絡が取れる体制が確保されています。
ただ、一般的には自分で探せるのは事業所までで、担当していただくケアマネ個人を選ぶことはできません。あたりをつけた事業所に電話する際は具体的に要望を伝えましょう。
◆では、ケアマネの選び方のポイントをいくつかご紹介します。
- 話をきちんと聞いてくれる
- 緊急時の対応が早い。フットワークが軽い
- 介護保険サービス以外に市区町村独自のサービス情報などをたくさん持っている
- 自分の所属する事業所のサービスばかりすすめない
これらは基本です。そして、後はなんといっても相性です。どんなにいい人であっても、こちらが心を開ける相手でないと踏み込んだ話はできないものです。そこはご自分の直感を信じてトライしてください。
しかし、どうしても良好な関係が築けないなどケアに支障が出るようであれば、前回ご説明のとおり、事業所との契約を解除、あるいは同事業所内でのケアマネを変更することができることを頭に入れておいても損はありません。
【執筆者プロフィール】
石井 百合子/いしい ゆりこ
産経新聞TVウイークリー編集部を経てフリーライター。
現在は認知症共同生活介護・グループホームにて介護支援専門員。