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自宅でできる高齢者の爪のお手入れ方法

一般公開日:2023.3.19

 爪切りは、思いのほか難儀するものです。年を重ねるほどに、目が悪くなって足元が見えにくい、足に手が届かない、手先の細かい動作がやりにくいなどがその理由です。重ねて、皮膚とともに爪も乾燥して切った時に割れてしまう、爪が厚くなって切りにくい、巻いてしまって普通の爪切りでは切れない、という爪自体の問題も出てきます。

 最も安全な方法は、爪切りを使わず、板状の爪ヤスリで削ることです。それにより、誤って皮膚を傷つけてしまうことを防ぐことができます。爪は角を鋭角に深く切り落とすことで食い込み、巻いていく性質を持つため、特に足の爪はまっすぐに切ることが大切です。爪ヤスリだと、まっすぐに削ることが簡単にできます。めやすは、爪の根元の線とほぼ平行になるように、長さは指先から0.5~1mm程度短めに、先端をまっすぐに整えます。
 また、爪の両角は、丸くなるようにヤスリをかけます。爪の手入れをするタイミングとしては、足指の長さより1mm程度長くなり、なんとなく引っかかる感じがしたところで、ヤスリを使って爪のお手入れをすることがよいでしょう。

 爪ヤスリは、硬質ガラスでできた800~1,000円程度の14~15cmの長さのものが、きめ細かく削れ、大切に使えば長持ちし扱いやすいです。感染予防のために自分専用とし、使い終わったらブラシで洗って乾燥させます。使用前には、欠けたり割れたりしていないかを目で見て触って確認してください。

 足に手が届きにくい方は、足をきれいに洗えていない場合が多いです。特に巻き爪は、巻いている爪の中に汚れがたまりやすく、それが痛みの原因になったり、雑菌が繁殖しやすい環境を作ったりします。そのため、週に1度は、柔らかいブラシなどを使って、爪の隙間をきれいにやさしく、泡石鹸などで洗うようにしましょう。爪の隙間がきれいだと、食い込みも起こりにくく、ヤスリもかけやすくなります。

 また、乾燥して爪が割れやすい場合は、皮膚に塗るクリームを爪にも丁寧に塗り込むようにしてください。毎日塗ることと、爪の付け根が爪の製造工場になっているので、その部分をやさしくマッサージするように塗るのがポイントです。

【執筆者プロフィール】

西田 壽代/にしだ ひさよ

足のナースクリニック代表 聖路加看護大学看護学部看護学科卒業。
皮膚・排泄ケア認定看護師、保健師、介護支援専門員、救急救命士、日本フットケア・足病医学会認定フットケア指導士。
「はじめよう!フットケア」日本看護協会出版会 監修・執筆(共著)他多数。

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