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高齢者の靴の選び方

一般公開日:2023.3.19

 靴は足から上の部分を支える要であるのに、あまり重要視されていない印象があります。全身の皮膚のたった2%程度の面積で全身の体重を支え、移動させる力を持つ足裏を、もっといたわってみませんか。

 靴選びは洋服選びよりもサイズ合わせがとても難しいです。ここでは快適な歩行のための靴選びのコツをお伝えします。ポイントは、長さ、幅、踵の大きさです。自分の一番長い足指の先から、自分の手の親指の幅一つ分くらいの長さを選びます。横幅は、足指の付け根の幅ちょうどのもの(外反母趾を除く)、そして踵は歩いた時にパカパカと脱げずフィット感があるものが良いです。
 長さと幅を確認する一番の方法は、靴から外した中敷きの上に踵を合わせて乗せ、先ほどの方法で確認することです。そして踵のサイズは、実際に履いて歩いてみることです。ですので、はじめての靴を通信販売で購入することはおすすめできません。その場合は、試着して返品できるか確認をしましょう。

 ご自分の足の正しいサイズを測定したことがあるでしょうか。測ってみると、思っていたサイズと異なることがあります。また、履いてみるといつもと違うサイズのものが自分の足にしっくりくることもあると思います。シューフィッターの資格を持つ靴店やコンフォートシューズを扱う店、デパートの靴売り場、靴の主要メーカーの直売店等で測定してくれるところがありますので、見かけたら気楽な気持ちで入ってみてはいかがでしょうか。

 靴の構造で必須なのは、足の甲の調整ができることです。そのため、その時の自分の足に合うよう、紐や面ファスナーがついているものを選び、履くときに毎回調整します。紐の結びほどきが大変であれば、チャック付きのものを選ぶとよいでしょう。これは、サイズ選び以上に大切なことです。縦の大きさに少しゆとりを持たせた靴選びをするのは、歩くと立っているときより足が伸びるからです。
 そのためには、足の甲を安定させ靴の中で足が前にずれないようにする必要があります。靴の中で足がずれてしまうと、巻き爪や爪の割れ、指の変形、踵のひび割れ、タコやウオノメにもつながります。面倒かもしれませんが、足から健康を守るために、ぜひ習慣づけたいものです。

 外反母趾などがある方は、専用の中敷きを使用したほうが快適に歩ける場合があります。また糖尿病など足に問題が起こりやすい病気をお持ちの方も、靴選びは自己判断せず、主治医や整形外科、病気の知識を持つ足や靴の専門家等にご相談ください。

【執筆者プロフィール】

西田 壽代/にしだ ひさよ

足のナースクリニック代表 聖路加看護大学看護学部看護学科卒業。
皮膚・排泄ケア認定看護師、保健師、介護支援専門員、救急救命士、日本フットケア・足病医学会認定フットケア指導士。
「はじめよう!フットケア」日本看護協会出版会 監修・執筆(共著)他多数。

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