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春の散歩、服装と靴は?

一般公開日:2023.9.17

 前回は散歩をするときの歩き方についてお伝えしました。今回は春に散歩するときの服装や靴についてお伝えします。

 服装が適したものでないと、散歩を楽しめなくなってしまいます。服装を決める際には、散歩する日の天気予報を確認し、天候と最高気温を確認します。一般的に、最高気温が16~20度までは少し肌寒く感じ、長袖、カーディガンやスウェットが必要になります。それ以上の気温では半袖でも大丈夫。

 しかし、運動時には体の筋肉が収縮することで体内の熱産出量が安静時の10~15倍にもなります。急激な体温の変化があるので、着脱が容易な服装を心掛けましょう。

 筆者の体感では15分程度の歩行時間で体温の上昇が実感できます。散歩をする場合は、タオルを首に巻いておくと良いでしょう。タオルを使うことで、汗が乾いて寒いときは首に巻いて保温することができますし、暑いときは汗をすぐに拭き取ることができます。

 靴は一般的にウォーキングシューズと呼ばれるものが散歩に適しています。

  • アッパー(甲)の作りがしっかりとしていること
  • 靴紐などにより締め付けが容易にできるもの
  • 衝撃吸収が考慮されているもの

が適しています。

 アッパー(甲)が柔らかい素材でできている靴がありますが、固定性が低い場合があります。歩いているときに靴の中で足が動き、歩きにくく感じます。1日のなかでも時間帯によって足の大きさは微妙に変化しているため、締め付けを手軽に調節できる靴がベストです。

 また、膝や足首の関節の保護のためにもできるだけ衝撃吸収素材が使われているものが良いでしょう。購入の際は現物を試着してから購入すると失敗がありません。

 逆に、散歩に向かないものは、

  • 踵が高いもの(踵部から足先にかけて傾斜があるもの)
  • サンダルやクロックスなど踵を保護する機能がないもの

です。

 昨今のウォーキング・ジョギングブームにより、たくさんの種類のウォーキングシューズが市販されています。デザインにもこだわり、お気に入りの一足を見つけることでさらに散歩が楽しくなります。ぜひお気に入りの一足をみつけてみてくださいね。

<参考>

【執筆者プロフィール】

西野 英行/にしの ひでゆき

理学療法士。福祉用具専門相談員として介護業界で3年間勤務した後、理学療法士の資格を取得。
現在は訪問リハビリテーションに勤務。リハビリのブログ「未来のPT」を運営している。
著書『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』がある。

高齢者の歩行と健康

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