家族が準備しておきたいこと
認定調査のときは、本人だけでなく、できるだけ家族も立ち会うようにします。家族が普段行なっている援助や介護についても伝え、家族の状況も話しておくことが大切です。
家族がいなくても
本人だけでも可能?
立ち会い者については、ほとんどの市区町村が、本人だけの認定調査は避けるように指導していますが、市区町村によっては本人がしっかりと受け答えができると家族が了解している場合は、本人のみの調査も認められているようです。
身寄りがいない場合や、家族が多忙でどうしても都合がつかない場合は、本人の日ごろの生活を把握しているケアマネジャーや介護関係者などでも可能な場合が殆どなので早目に立ち会って欲しいと相談しましょう。
家族は何を準備しておけば
良いですか?
認定調査にかかる時間はおよそ1時間程度です。特にはじめて調査を受ける時は、本人も家族も緊張していて、伝えたかった事を話せずに終了してしまう事もあります。
調査で聞かれる内容については、次回詳しく述べますが、手術や病気の発症時期などメモを作っておくと落ち着いて話せます。
また、直近1ヵ月の様子を聞かれるので、日ごろの様子を観察しておきます。調査員はその日の様子だけで判断する訳ではなく、日ごろ、頻回に起きている状態を聞き取りチェックしていきます。
何を聞かれますか?
特に難しい内容を聞かれる訳ではありませんが、調査項目のなかには、日ごろ聞かれることがあまり無く、どう答えれば良いのか戸惑う事もあるかもしれません。
例えば「日常の意思決定」という項目を聞かれます。日々の暮らしの活動のなかで、本人がどの程度意思決定出来ているかを確認されますので、できるだけ具体的に答えるようにします。
「見たいテレビ番組や着る服の選択はできるが、通院時の医師の話を聞いて判断することはできず、家族の支援が必要である」、もしくは「現在は二者択一程度しか自己決定ができない」などと答えます。
そして質問されている事が抽象的で理解できない時は、遠慮なく聞き返してみましょう。違う言葉で説明してくれる筈です。
【執筆者プロフィール】
須藤 伸子/すどう のぶこ
主任介護支援専門員・介護福祉士・社会福祉士・聴き方マスター2段。
有料ホームや在宅で、訪問介護員、居宅の介護支援専門員を経て、現在は認定調査員として勤務。