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冬場に体温を下げない工夫

一般公開日:2024.3.17

 体温が低くなりやすい高齢者は、冬場は特に体温を下げない対策をすることが大切です。「身体を温める」ために何ができるでしょうか?まずは、運動、食事や飲み物、衣類に工夫します。

 やるべき事に難しい技術や知識は要りません。また「そんなことは知っている」と思っているだけでは何も変わりません。

 合い言葉は「体温を上げる!」です。さあ、今日から実践しましょう。

適度な運動をする

 筋肉が収縮する際にはエネルギーが必要です。そのエネルギーを作る時に筋肉に熱が発生します。筋肉量が多いとたくさんの熱が作れるため、体が冷えにくくなります。筋肉はいくつになっても増やせます。
 特に、おしりや太ももなどの大きな筋肉を鍛えると効率が上がります。ウォーキングやスクワットなど軽い運動で無理なく続けるようにしましょう。

タンパク質を意識し、栄養バランスの良い食事を摂る

 冬の食事は温かい料理だけでなく、体を冷やさない食材も意識して摂りましょう。肉や魚、卵、納豆、かまぼこなど、タンパク質は筋肉のもとになり体温を上げます。
 冬に美味しい根菜類は、体温調整に欠かせないミネラルを多く含んでおり、身体を温めるといわれています。水分も同様に、冷たい飲み物は避け、常温か温かい飲み物を摂るようにします。

衣類にも工夫する

 冬の下着は「暖かいこと」「動きやすいこと」を考えて選びます。発熱する下着も売っていますので上手に活用しましょう。
 セーターを何枚も重ねるよりも、セーターのうえに空気を通さない素材の上着を重ね、体温で暖まった空気を逃がさないようにします。

 また、昔から「首」「手首」「足首」の「3つの首」を温めると良いと言われています。これは、血流の多い動脈が皮膚の近くを走っているからです。血流が多い部分を温めることで効率よく全身の血液を温めることができるからといいます。

 私は冬にはソックスを2枚はいています。1枚目は綿製をはいて汗をとり、2枚目は発熱するソックスをはいています。また、膝掛けを膝にかけている方がよく見受けられます。椅子の素材によっては、お尻と太ももから熱を奪われて冷えるので、その部分も温めましょう。

 そして、笑うこと。これは、エビデンスとか、文献とかあるかどうか分かりませんが、私は、笑うと身体が温かくなりますのでオススメです。

 次回は「身体の外から温める」方法を考えます。

【執筆者プロフィール】

中村 紀子/なかむら みちこ

看護師。大学病院で外科病棟、救急外来、整形科/精神科外来に勤務後、在宅医療に転身。
薬や医療だけでなく、生活環境や心理的側面にも配慮し、趣味の料理を活かした簡単な食事療法のアドバイスをしている。
現在は介護施設と在宅医療に従事。

寒くなる季節、体温を下げない工夫をしよう!

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