身体を外から温める方法①
近年、光熱費が高騰する中での冷え対策として、多くの人が「温活」に取り組んでいます。
「温活」とは、体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善することです。身体のなかから温めるのが理想ですが、短時間で温めるには、外から温める方法も有効です。
昨今の世界情勢の混乱の影響もあり、ガソリンやガス代、電気代が上がっている今、節約をしつつ体を温める方法が求められています。
カイロの活用
カイロは手軽で持ち運びができ、お腹やふくらはぎなど特定の部分を直接温めることができます。最も温めたいのは「お腹」です。たくさんの臓器や血液が集まっていて、効率よく熱を取り入れることができる場所です。
それとともに、下半身の血行をよくすることを意識すると良いでしょう。ふくらはぎが冷えると、むくみなどの原因になります。この部分を温めることで、血流が向上し、症状が改善する可能性があります。
ただし低温やけどの危険もあるため、直接肌にカイロを当てたり、長時間同じところにカイロを当てっぱなしにしたりすることは避けましょう。
腹巻の利用
近年は、年齢に関係なく腹巻を利用する人が増えているのでしょう。いろいろな種類の腹巻が売られています。腹巻はお腹を直接温める効果があり、末端冷え性や内臓の冷え性の予防に役立つと言われています。
東洋医学では、体の中心としての「お中」として、お腹を温めることの重要性が語られています。
湯たんぽで安全に体を温める
湯たんぽは就寝前に布団を温めるのに適していますが、低温やけどのリスクもあるため、注意が必要です。湯たんぽを布団のなかに入れっぱなしにせず、暖まったら布団から出して寝ると良いでしょう。介護者などが近くにいる場合は、一定時間ごとに位置を変えると良いでしょう。
いずれにしても湯たんぽ専用のカバーや厚手のタオルで包むなどの工夫で、直接肌に触れないようにして、安全に使用することが推奨されます。
エアコンや防寒具の活用
エアコンを上手に活用することで、部屋の温度を適切に保つことができます。また、防寒具を使って体を冷やさないようにすることも重要です。
いくつかの方法を例に挙げましたが、温活の最大のポイントは「気持ちいい」こと。自分にとって快適な方法で温活をすることで、長く続けることができ、それが冷え対策に繋がります。
日常のなかで、上記の方法を取り入れながら、心地よく体を温める工夫をしましょう。
【執筆者プロフィール】
中村 紀子/なかむら みちこ
看護師。大学病院で外科病棟、救急外来、整形科/精神科外来に勤務後、在宅医療に転身。
薬や医療だけでなく、生活環境や心理的側面にも配慮し、趣味の料理を活かした簡単な食事療法のアドバイスをしている。
現在は介護施設と在宅医療に従事。