視力低下のなかでの生活の知恵
視力が低下すると、日常生活に支障をきたすことがあります。そのような場合でも、工夫次第で快適に生活することができます。視力低下が見られる高齢者の方々は、以下のような工夫を生活に取り入れてみましょう。
拡大鏡の使用
小さな文字などが読みづらい場合には、拡大鏡の使用をおすすめします。
タブレットやスマートフォンの活用
タブレットやスマートフォンは、文字の拡大、文字の白黒反転、音声による文章の読み上げ、コントラスト機能などが備わっており、またインターネット環境下ではニュースやラジオを聴くことも可能であり、視力低下を伴う高齢者の方でも多くの情報を得ることが可能になります。
しかし、パソコンやスマートフォン、テレビなどの青色光(ブルーライト)は眼には良くないと言われております。ブルーライトカットレンズの眼鏡を使用したり、長時間のパソコンやテレビ鑑賞は控えたりするなど工夫をしましょう。
サングラスや遮光眼鏡の使用
紫外線は白内障や黄斑変性の原因となると考えられ、眼の健康を害する要因となります。紫外線カット機能がついたサングラスを使用することで、眼を紫外線から守ることができます。また、眩しさに対しては遮光眼鏡が有用です。遮光眼鏡は眩しさの原因となる短波長光(紫外線+青色光線)を選択的にカットするため、くっきりと見やすくなります。
高齢者の眼の健康と認知症との関連性に関する研究がいくつか行なわれています。視力低下や特定の眼の病気が認知症のリスクを高める可能性があります。
例えば、加齢黄斑変性や緑内障、糖尿病網膜症などの眼の病気が認知症と関連しているとする研究があります。これらの病気は視力低下を引き起こすことから、社会的な孤立や日常生活の困難さを増加させ、結果として認知症のリスクを高める可能性があります。
ただし、これらの研究はまだ限られており、より多くの研究が必要ですが、高齢者の眼の健康を保つことが、認知症の予防にも寄与すると考えられます。
【監修者プロフィール】
玉城 麻夏/たまき あさか
新潟大学医学部卒。順天堂大学浦安病院眼科医を経て、現在玉城眼科に勤務。
日本眼科学会認定眼科専門医。