ペットを飼う前に知っておくべきこと
動物を最期まで飼えるかどうかを考えることができるのは、迎える前だけです。動物を飼う前に知っておくべきことについて考えます。
動物たちは飼い主が頼り
動物たちを迎えると、動物たちの「あなたが頼り」と訴えるキラキラな瞳にくぎづけになることでしょう。この瞳に応えるためには、まず飼い主自身の健康管理が重要になります。犬を飼うのであれば、お散歩や一緒に遊ぶための体力が必要です。
寿命が延びた動物たちにも、介護が必要になる可能性がありますので、大型犬を飼っていて動けなくなってしまった場合などは、通院させる手段を考えておく必要もあります。
定期健診やほどよい運動、食事のバランス、などに関心をもって、自分の健康と向き合いながら過ごしてこそ、動物たちとの楽しい生活を送ることができるのです。
まずは、迎える前に考えること
動物たちには、私たちと同じように命があり生きていて、いずれは死を迎えます。毎日食べ、排せつもして、生態や習性にあった行動の担保、安心して休息がとれる環境づくりなど、「動物を飼う=動物たちの命を預かる」という意識が必要です。
そのため、動物を迎える前にはさまざまなことをクリアにしておく必要があります。
- ペットを飼うことが可能な住居か
- 迎えたい動物と自分の生活パターンが合っているか
- 自分や家族にアレルギーはないか
- 動物を迎えられる健康状態か
- 毎日世話ができるか
- 自分自身で動物の生態やしつけを勉強できるか
- 最期まで責任をもって飼うことができるか
- 医療費を含む飼育費用が準備できるか
などです。
迎える前に知っておきたい
動物の生態やしつけ
ペットを飼う前に、その動物の基本的な生態やしつけを知っておくことが重要です。犬を例にすると、犬が「吠える、咬む」には理由があり、病気も含めて、何かを伝えている場合がほとんどです。
もちろん病気の場合は動物病院での治療が必要となりますが、どうして吠えているのか、咬むのかを考え改善する必要があります。
犬が望まない行動をとる場合、犬に間違えたことを教えている可能性があります。
例えば、「吠えるのでおやつをあたえて静かにさせた」は、犬は「吠えたらおやつがもらえた」と覚えている可能性がありますし、厳しくしつけた場合には、犬にとって飼い主に勝る行動として「咬む」という方法を身につけた可能性があります。
もし犬が、してほしくないことをするようになってしまったら、飼い主の行動や声かけのタイミングなどを振り返り、過ごしてきたのと同じ時間をかけて、根気よく、愛情をもってしつけ直していきます。
攻撃性が強い場合や、飼い主によるしつけで改善しない場合は、躊躇せずにトレーニングの専門家や動物病院などに相談しましょう。治療が必要になる場合もあります。
そうならないためにも、迎える前に犬についての知識を深めておき、迎えたら実践できるようにしておくことが大切です。
【執筆者プロフィール】
岩浪 真紀/いわなみ まき
p.a.n.d.a.研究室・東京都動物愛護推進員・東京都動物愛護管理審議会委員・愛玩動物飼養管理士1級。
ペットの適正飼養普及啓発活動として、ボランティアや団体職員として活動。
飼い主の抱える問題解決のサポートを行ない、諸事情で手放される動物たちを少しでも減らす活動を行なっている。