ペット飼育への高齢者による困りごと
私たち飼い主が歳を重ね高齢になり生活スタイルが変わっていくなかで、ペットの世話についての悩みを感じることも増えていきます。
毎日の世話が面倒、自分の足腰が弱くなり犬の散歩に行けない、入院やケガでペットの世話を続けられない、動物病院に連れて行けないといった飼い主側の変化と、飼っているペットが高齢になった場合ペットが歩けなくなったり、認知症になったりしても対応がわからない、といったペットの変化と双方の悩みごとが挙げられます。
このようなとき、どのように解決していけば良いでしょうか?
ペットが高齢になったときの必要な対処方法や注意点についてはかかりつけ動物病院に相談しておき、いざというときに備えましょう。また、ペットを通院させられない場合に備えて往診や入院が可能かどうかも確認しておくと安心です。
飼い主の変化によりペットの世話の継続が困難になってしまった場合は、動物病院をはじめとした専門家のサポートを検討します。
ペットシッターは自宅での日ごろの世話や犬の散歩などを代行しますので、飼い主もペットも自宅で安心してサポートを受けることができます。
自宅で愛犬のシャンプーや爪切り、耳掃除などをしている場合はトリミングサロンを利用することで飼い主の負担を軽減することができます。
ペットの短期間預かりについてはペットホテルや動物病院を利用することで、入院やケガだけではなく旅行に行くときにも安心です。
こういったサービスは飼い主が元気なうちから利用していると、ペットも環境変化に慣れやすくなりペットのストレスを軽減することができます。動物病院や各種サービスにはもちろん費用がかかり、対応している動物の種類についてもまちまちですので事前に確認しておくことが必要です。
長期の入院や万が一飼い主が亡くなってしまうことに備え、長期に預かってもらえる場所や新しい飼い主候補を探しておくことも安心につながります。
ペットホテルや動物病院のほかに、親戚や友人、ご近所など、日ごろからコミュニケーションをとりペットと一緒に良い関係性をつくっておきましょう。
最近では、ペットと一緒に暮らせる老人ホームや高齢者向け住宅も増えてきました。
一緒に暮らせる動物の種類や費用については施設によって異なりますが、飼い主にとってもペットにとっても穏やかな毎日を続けたいと思われる方は、一度施設を見学に行ったり、検討してみたりしてはいかがでしょうか。
【執筆者プロフィール】
岩浪 真紀/いわなみ まき
p.a.n.d.a.研究室・東京都動物愛護推進員・東京都動物愛護管理審議会委員・愛玩動物飼養管理士1級。
ペットの適正飼養普及啓発活動として、ボランティアや団体職員として活動。
飼い主の抱える問題解決のサポートを行ない、諸事情で手放される動物たちを少しでも減らす活動を行なっている。