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高齢者とペットと防災・終わりに

一般公開日:2025.3.16

 最近では災害時のペットとの避難が話題となることも多く、環境省も飼い主とペットが避難所まで一緒に避難する同行避難を推奨しています。

 身の回りの物を持ち、ペットを抱え、ペット用の非常用持ち出し袋を持って避難することを想像してみてください。
 飼い主が高齢の場合、このような状態でペットと一緒に避難することは容易ではありません。自分ひとりでなんとかしようと思わず、ご近所さんに自分がペットを飼っていることを知ってもらい、災害が起きた際には手を貸してもらったり、町会や自治会といったなかで地域の見守りをされている方に、日頃から相談をしておいたりするといったことも、高齢な飼い主とペットを守るための手段のひとつになります。
 自治体によっては災害時のペットの扱いが異なることもあるため、ご自身が避難する場所の同行避難可否について確認しておく必要があります。一緒に避難できるかどうか、道中の危険箇所なども普段から確認しておくと良いでしょう。
 しつけがされていても、非日常の避難所ではペットたちも不安やパニックを起こします。自宅が倒壊や火災の心配がない場合は、自宅での避難も選択肢に入れておくことをおすすめします。日ごろから食べ物や消耗品を使いながら買い足す「ローリングストック」はペットにも役立ちます。

 被災地では「愛犬が吠えるため避難所に連れて行かず車で過ごした」「しつけができていないために新しい飼い主や一時預かり先が探せなかった」「不妊去勢手術をしていなかったため、一時預かり先で子猫が産まれた」「猫が白血病などのウイルスに感染しているため新しい飼い主や一時預かり先を探すことが困難」「猫がいなくなり見つけられなかった」などがペットの問題として挙げられます。
 災害が起きていない平常時にこそ考えて、備えることが必要です。

最後に~私の動物愛護活動の原点~

 24年ほど前に我が家で最初に迎えたミニチュアダックスの"武蔵"は、本気で飼い主を咬むようになり、しつけの先生から「ハイパー犬(超活動的な犬)、この犬を飼うのは難しい」と言われるほどでした。17歳半年と1日で穏やかに生涯を終えるまで、咬む原因を作らないようにしながら、しつけでコントロールを続けて過ごしました。
 知識不足から咬む犬にしてしまったことや家族との学びが、飼い主さんや動物たちの幸せを祈る私の原点となり、あの時にあきらめなくて良かったと心から思っています。

 最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。皆さまの生活のなかにお役立ていただけますと幸いです。

【執筆者プロフィール】

岩浪 真紀/いわなみ まき

p.a.n.d.a.研究室・東京都動物愛護推進員・東京都動物愛護管理審議会委員・愛玩動物飼養管理士1級。
ペットの適正飼養普及啓発活動として、ボランティアや団体職員として活動。
飼い主の抱える問題解決のサポートを行ない、諸事情で手放される動物たちを少しでも減らす活動を行なっている。

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