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老老介護・認認介護になる前にできること

一般公開日:2025.3.16

 前回まで介護の相談現場での具体的な対応についてお話をしました。
 しかし、事例ごと、対象の高齢の方々の価値観が異なるために、対応はできますが、果たしてそれが正解であったのかについては悩むことは多いです。
 老老介護と認認介護は、これまで大事にされてきたおふたりの生活空間に介護という新しい人や環境が介入をしていきます。人によっては不快になるのも当然のことだとも思います。
 尊厳を守ることと、安心した生活を送ることの両立は実は簡単ではありません。それがひとり暮らし以上にふたり暮らしである方がより難しく複雑となってしまうという点がこの老老介護・認認介護の特有の課題ではないでしょうか。

 今回は老老介護・認認介護になる前にご家族でできること、地域でできる介護とは何かを考えたいと思います。

できれば介護状態になる前の備えを

 ご両親のどちらかに介護が必要になった段階、理想を言えば、ご両親のおふたりが元気なうちに、どのような介護を受けたいか、認知症になった場合はどうしたいかをよくご家族内で話し合っていてほしいと思います。それが「介護の備え」となるでしょう。

家族で抱え込まず早期に専門家へ
相談を

 可能であれば状況の変化に気がついた段階での情報共有や相談を専門家にしておくとよいでしょう。地域包括支援センターは福祉・医療・介護の専門家がいる機関でご両親の住む地域にもあります。専門家の視点を入れることで、状況の整理だけでなく客観的なものとなります。

地域づくりを含めたケア体制
づくりを

 介護保険の目的は尊厳の保持と有する能力に応じた自立した生活にあります。介護はもはや家庭内の問題ではなく地域社会全体で支えていく問題です。ひとりで抱えこまず、地域とも連携を取りながら、高齢のご両親が安心して生活ができるように地域づくりが理想的です。

 このようにご本人、ご家族、地域社会、それぞれの立場で支えること。つまり自助、互助、共助のバランスが取れた姿が、理想的な介護の形なのかもしれません。

【執筆者プロフィール】

山本 武尊/やまもと たける

社会保険労務士・社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ファイナンシャルプランナー2級(AFP)。大学(福祉学)卒業後、大手教育会社を経て、介護業界へ転身。元地域包括支援センターでセンター長として活動。
介護業界の人の優しさに触れると共に、低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため社会保険労務士となる。

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