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シニア割で銭湯をお得に!

一般公開日:2025.9.21

 高齢者になると、病気がちになる、友人が少なくなるなど、さまざまな理由で外出の機会が少なくなる傾向が見られます。健康で充実した老後のためには社会参加が重要で、積極的に外出して人と交流したいところですが、一方で、年金暮らしの生活においては少しでも節約をしたいものです。

 今回は、自治体や民間が行なっている高齢者向けのサービスや高齢者割引のあるサービス等を活用し、生活を充実させている事例をご紹介します。

 「お風呂が大好き」という人は多いと思います。気持ちが良いのはもちろん、浴槽入浴の頻度が上がるほど、要介護になるリスクが軽減する、という調査報告もあります。

 埼玉県内に夫婦ふたりで暮らす、のりこさん(70代)の毎日は、早朝のラジオ体操から始まります。近所の公園で午前6時30分から10分ほど、同年代の方たち約20人と体操。終了後は、少し雑談をして帰宅します。

 ラジオ体操をきっかけに話すようになった友達3人と、月に1回だけ午後3時30分に再度集まり、地元の銭湯へ。「お得なの!市から『浴場利用券』をもらって、1回100円で銭湯を楽しめるのよ」とのりこさん。最大で年間64枚もらえるそうです。

 対象は65歳以上のひとり暮らし、または高齢者のみの世帯の希望者。「皆で行くと、いろいろ話せてストレス解消よ」。毎日のラジオ体操に、月1銭湯での井戸端会議とは、何とも健康的ですね。

 銭湯の利用料金は都道府県ごとに異なります。埼玉県の場合、1回の入浴料は大人500円。のりこさんは1回100円で利用しているので、400円もお得です。

 のりこさんは、もらった券で月に2~3回はひとりで銭湯へ。「ひとりで行くときは、気分転換で別の銭湯に出かけるの。たまに、夫も誘うわ」。

 内容は異なりますが、銭湯の補助事業を行なう自治体は結構あります。東京都港区では70歳以上の区民の希望者に対し、生活意欲の向上および健康維持を目的に無料入浴券を年間最大52枚給付します。

 徳島県阿南市では、70歳以上の方に対し、地元温泉の入浴料が無料となる高齢者入浴許可証を月3回まで交付。栃木県さくら市では、65歳以上の方などに対し、年間60回まで市営温泉に無料で入浴することができる利用証を交付しています。

 スーパー銭湯でも、独自にシニア優待日を設定しているところがあります。

 皆さんも、自分の暮らす地域に、お風呂の割引制度がないか役所や地域包括支援センターに聞いてみませんか。

【執筆者プロフィール】

太田 差惠子/おおた さえこ

介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長。
1994年頃より高齢化社会を見すえながらの取材、執筆を開始。96年、親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」を立ち上げる。2010年立教大学大学院にて、介護・社会保障・ワークライフバランスなどを体系立てて学ぶ。著書多数。

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