認知症の有無が混在する場合のレク例
今回は利用者の認知症のある人とない人が、一緒にレクリエーションを行なう際の工夫について書かせていただきます。
レクリエーションの研修講師をしていて受ける相談のなかに、「認知症のある人にあわせてレクゲームを行なうと、認知症のない人たちが『簡単すぎてつまらない』と言うし、認知症のない人にあわせてレクゲームを行なうと、認知症のある人たちから『難しくて楽しくない』と言われ、どうしたら良いかわからない」というものがあります。
介護職員としては「すべての人に同じように楽しんでもらいたい」とレクゲームを企画しますから、利用者からこんなクレームが来ると頭を抱えてしまいますよね。まさに「あっちを立てればこっちが立たず」です。そんな時、こういうゲームはいかがでしょうか。
言葉出しゲーム
【準備】
- 新聞紙を4枚用意して、広げて並べます(模造紙を貼りあわせて4分割の的を作ってもOKです)。
- A3用紙にお題(例:「野菜」「魚」「動物」「花」など)を書いて、4枚の新聞紙のうえにそれぞれ置きます。
【ルール】(参加者8名の場合)
- 参加者は「お題」の周りに座ります。
- ふたり1組のペアを4組つくり、4組のペアで対抗戦を行ないます。※ペアは、認知症のある方とない方を組みあわせます。
- ジャンケンで勝ったペアからゲームを開始します。
- 認知症のある方にサイコロをお題の紙のうえに乗るように振っていただきます。
- サイコロが止まった場所のお題について、認知症のない方が、サイコロの目の数だけ言葉を出します(例:「魚」のうえに止まったサイコロの目が「4」なら、「魚」を4つ答えます)。
- 言えた言葉の数が得点になります。一度出た言葉は次から使えません。
- 対抗している4組でゲームを進め、3巡したところでゲーム終了。得点の合計で勝敗を決めます。
【盛り上げポイント】
- サイコロがうまくお題のうえに乗ったら、みんなで拍手しましょう。
- 大きな目が出たら、さらに大きな拍手で盛り上げます。
- お題をたくさん答えられた時も、みんなで大きな拍手を送りましょう。
これなら「難しすぎる」「簡単すぎる」という声は出ないでしょう。お題も例えば「魚」のうえに一巡目、二巡目と6が続けて出たら、難しくなりますよね。
そして「協力して答える」を原則としますが、もちろんふたりで自由に役割を交代してもOKです。ふたりで相談して答えることができるからです。お題を変えれば何回でも楽しめますね。「有名人の名前」、「〇〇線の駅名」、「お菓子」、「虫」、なんてのも楽しいですよ。
いかがでしょうか。試してみてくださいね。
【執筆者プロフィール】
尾渡 順子/おわたり じゅんこ
医療法人中村会・介護老人保健施設あさひな・認知症介護レクリエーション実践研究会。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、認知症ケア上級専門士、介護予防指導士、介護教員資格等を保持。著書に「イラストでわかる介護現場で使えるレクリエーション」(中央法規(株))