「認知症の特性」に応じたレクリエーション
認知症のある人には、記憶力の低下、判断力・理解力の低下、注意力の低下、集中力の低下などの認知機能低下に伴い、レクゲームのやり方がおぼえられない、レクゲームの流れがわからない、自分がどうしたら良いのかわからない、注意がきかない、集中できないなどの理由でレクゲームが楽しめない人がいます。
そこで、ゲームはなるべく単純でわかりやすいルールにします。例えば「投げてマト(的)にあたったら得点」「投げて箱に入ったら得点」「蹴って(三重円などの)的に転がって乗ったら得点)のように、目で見てすぐ結果が出るようにします。
ルールは言葉で説明すると理解が難しくなるので、「やってみせる」(お手本を見せる)ことが有効です。また、円座になることで、目の前でやっている人の真似をすればいいとわかるので安心して参加をすることができます。これは2列で向い合わせにしても同じです。
単純でわかりやすいとなると「子どもっぽくなるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、「競うゲーム」にすることで断然ゲームは盛り上がります。円座になり真ん中に段ボール箱のマトを置いて、次から次へとボール等を投げ入れるようにすると自分の順番がすぐ回ってきますので、認知症の人が待ち疲れてしまったり飽きて寝てしまったり徘徊をしてしまうことも少なくなります。
1巡目はボールをマトの段ボール箱に投げ入れましょう、2巡目はタオルを真ん中で縛ったものを投げ入れましょう、3巡目はお手玉を投げ入れましょう、というように投げ入れるものを変えていけばレクゲームにバリエーションが広がります。
難しいゲームでなくても、マトの種類(段ボール箱、三重円のターゲット、テーブルなど)、マトへの投入の仕方(投げる、蹴る、乗せる、転がす、倒すなど)、投げる物(ボールやお手玉、紙コップなど)のバリエーションを変えると、認知症の人でもレクゲームに楽しく参加できるようになります。工夫してみましょう。
レクゲームができない重度認知症の人には、アロマセラピーや手浴なども有効です。手を摩りながらお話をしたり、お散歩で外の空気を吸うなどの気分転換で気持ちよさを感じていただきましょう。
【執筆者プロフィール】
尾渡 順子/おわたり じゅんこ
医療法人中村会・介護老人保健施設あさひな・認知症介護レクリエーション実践研究会。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、認知症ケア上級専門士、介護予防指導士、介護教員資格等を保持。著書に「イラストでわかる介護現場で使えるレクリエーション」(中央法規(株))