呼吸の基礎知識
呼吸の基礎知識を知っておくことで効果的な呼吸法を身につけやすくなります。「呼吸」に関係している器官は肺だけではなく、胸郭・横隔膜・肋間筋・腹筋が連動した上半身全体の運動です。なので、姿勢とセットで呼吸を考えるとより理解が深まります。
肺はご存じのとおり、呼吸を行なうための主要な臓器です。空気(酸素と二酸化炭素)を交換する「袋」ですが、肺そのものに筋肉はないため、周囲の骨・筋肉に引っ張られて膨らんだり縮んだりしています。
横隔膜は、肺のすぐ下にあるドーム状の筋肉で、吸うときに下へ下がり、お腹側を押し下げて胸郭を広げます。腹式呼吸の主役となる筋肉です。肋間筋(肋骨の間にある筋肉)・腹筋などの呼吸筋は、肋骨の間の筋肉(外肋間筋・内肋間筋)が肋骨を持ち上げたり絞り込んだりして胸郭を動かします。強い息を吐くときには、腹筋群も補助的に働き、腹圧を高めて横隔膜を押し上げます。
上述のように、良い呼吸を行なうためには、姿勢が土台となります。軽く顎を引き、背中をまっすぐに伸ばした胸が潰れていない姿勢だと、胸郭が前後に広がりやすく、横隔膜も上下に動きやすくなります。逆に、悪い姿勢(猫背など)では胸郭がつぶれた形になりやすく、胸の前後径・左右径が広がりにくくなります。結果、浅い呼吸になってしまい、脳への酸素供給が不足しやすくなります。
良い呼吸には姿勢が大事です。普段から顎をひき、背筋を伸ばした姿勢を心がけ、深い呼吸ができる土台を整えましょう。
次回のコラムでは、これらのことを考慮した上で、実際にどんな呼吸法を行なうとリラックス効果が高いのか?を具体的に説明していきます。
【執筆者プロフィール】
西野 英行/にしの ひでゆき
理学療法士。福祉用具専門相談員として介護業界で3年間勤務した後、理学療法士の資格を取得。
現在は訪問リハビリテーションに勤務。リハビリのブログ「未来のPT」を運営している。
著書『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』がある。