狙われる高齢者
近年、高齢者が狙われる犯罪が増加傾向にあります。その手口も段々と凶悪化・巧妙化してきています。特に、みなさまも報道で耳にしている『トクリュウ』(匿名・流動型犯罪グループ)と呼ばれる犯罪者グループが起こしている「特殊詐欺・空き巣などの侵入窃盗・強盗」などが社会問題になっています。そのほかにも「ひったくり」が「路上強盗」へ発展しており、どこにいても安心できない時代となってしまいました。
特に『トクリュウ』による犯罪は「闇名簿」を基にねらいを定めてきます。特殊詐欺は電話やメール、SNSなどを悪用し(オレオレ詐欺、還付金詐欺、投資詐欺など)、高齢者の優しさや老後の生活の不安に付け込み、お金を欺し盗ります。
空き巣、忍び込みなどの侵入窃盗は、防犯に対して脆弱さが目立つ高齢者の住宅が、犯罪者にとって都合の良い住環境となってしまっています。しかも被害者宅の約半数が「無施錠」という何とも悲しい現実も。ほかには、玄関の鍵を不正に開錠したり、玄関ドアをこじ開けたり、窓ガラスを音も立てずに破るなどして侵入し、金品を奪っていきます。
次にみなさまが一番怖いと感じている強盗。玄関ドアや窓ガラスを強硬に破り侵入し、住人を傷付け脅し、縛り上げ、金品を奪っていきます。なかには命まで奪われてしまったケースもあります。
今や犯罪は一つの「ビジネス」になってしまいました。人の命を軽視し、自分の欲望のために、実に簡単に犯罪を犯す、人の仮面をかぶった怪物だと私は思います。
犯罪者は犯罪を実行に移す前に、必ずと言っていいほどリサーチ(下見)をします。狙った家の生活スタイル、侵入しやすいか、また防犯対策の状況などをしっかりと調べたうえで犯行におよびます。その時点で「この家はやめておこう」と、あきらめさせることが重要になってきます。そのためには今どんな犯罪が起こっているのかを知って頂きたいです。
犯罪被害に遭わないために、またご自身と大切なご家族の「命」と「財産」を守るためにも、しっかりとした『防犯対策』をなさって頂きたいと強く願います。防犯は「被害者」も「犯罪者」も、作らないことです。次回は、被害に遭わないための防犯対策についてお話しします。
【執筆者プロフィール】
桜井 礼子/さくらい れいこ
一般社団法人 日本防犯学校学長。
事件現場の検証と取材に携わり、自分自身で出来る防犯対策などを分かりやすく解説。
弱者を犯罪被害から守る「予知防犯」を提唱する活動を展開。
また、地域を守る目となる【防犯士】の育成を全国で行なっている。