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高齢者のための施設の選び方

介護施設の種類ごとに「特徴」「入居対象」「費用の目安」「選ぶ際のポイント」を解説します。

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更新日:2025年9月21日

さまざまな種類の高齢者向け
入居施設

 高齢者のための施設には、介護が必要な人から、自立して生活が営める人までを対象に、さまざまな種類があります。施設を選ぶ場合には、どのような人を対象にしたものかをまず確認しましょう。

 「元気なうちから住み替えたい」「身体介護や認知症の対応が必要になった」「日常生活で医療的なケア(経管栄養、痰の吸引、人工呼吸器など)が必要な状態になった」など、状況によって選ぶ施設が異なります。

 高齢者のための施設の種類は、公的施設と民間施設に大きく分かれます。入居費用も施設の種類や地域によって幅があるので、複数の施設の情報を収集し、施設見学・体験入居なども行なったうえ、慎重に検討しましょう。

1.あなたに合う施設は?
フローチャートで探してみよう!

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2.公的機関が運営する施設の種類と
基本的なサービス

 介護保険施設は、主に社会福祉法人や自治体が運営する老人ホームです。
 種類は以下のとおりです。

高齢者向け施設の種類と概要 基本的なサービス
特別養護老人ホーム(特養)

 寝たきりなど比較的重度の人、緊急性の高い人が優先。医療的サービスは基本的には対応していません。

「食事」の画像

食事

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生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

「身体介護・生活援助」の画像

身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

機能訓練

「利用負担軽減制度」の画像

利用負担軽減
制度

介護老人保健施設(老健)

 要介護1以上の介護認定を受けた人のみが利用でき、介護、看護、リハビリが受けられますが、在宅復帰をめざす施設のため3ヵ月を目安に退所指導が行なわれます。

「食事」の画像

食事

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生活相談

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安否確認

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健康管理

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身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

機能訓練

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リハビリ

「医療」の画像

医療

「利用負担軽減制度」の画像

利用負担軽減
制度

介護医療院

 要介護1以上で「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナルケア」等の機能と、「生活の場」としての機能とを兼ね備えた施設です。

「食事」の画像

食事

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生活相談

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安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

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身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

機能訓練

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リハビリ

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医療

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利用負担軽減
制度

高齢者向け施設の種類と概要
特別養護老人ホーム(特養)

 寝たきりなど比較的重度の人、緊急性の高い人が優先。医療的サービスは基本的には対応していません。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

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生活相談

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安否確認

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健康管理

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身体介護・
生活援助

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機能訓練

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利用負担軽減
制度

高齢者向け施設の種類と概要
介護老人保健施設(老健)

 要介護1以上の介護認定を受けた人のみが利用でき、介護、看護、リハビリが受けられますが、在宅復帰をめざす施設のため3ヵ月を目安に退所指導が行なわれます。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

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生活相談

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健康管理

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身体介護・
生活援助

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リハビリ

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医療

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利用負担軽減
制度

高齢者向け施設の種類と概要
介護医療院

 要介護1以上で「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナルケア」等の機能と、「生活の場」としての機能とを兼ね備えた施設です。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

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生活相談

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安否確認

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健康管理

「身体介護・生活援助」の画像

身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

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リハビリ

「医療」の画像

医療

「利用負担軽減制度」の画像

利用負担軽減
制度

3.民間が運営する施設の種類と
基本的なサービス

 株式会社などの民間企業をはじめ、NPO法人や財団・社団法人などさまざまな法人が運営しています。自治体・社会福祉法人・医療法人が運営している施設もあります。

高齢者向け施設の種類と概要 基本的なサービス
有料老人ホーム
介護付き

 介護の必要のない人から、要介護認定を受けた人まで、施設によって幅広く受け入れています。介護が必要になった場合は、その施設の介護職員がサービスを提供します。

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食事

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生活相談

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安否確認

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健康管理

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身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

機能訓練

住宅型

 介護の必要のない人から、要介護認定を受けた人まで、施設によって幅広く受け入れています。施設自体は介護サービスを提供しませんが、介護が必要になったら外部の介護サービスを利用して住み続けることができます。

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食事

「生活相談」の画像

生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

 バリアフリー設備や安否確認・生活相談サービスは必ず提供されますが、それ以外にどのような生活支援サービスが提供されるかは住宅によって異なります。介護が必要になっても、外部のサービスを利用すれば、住み続けることができます。

「生活相談」の画像

生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

グループホーム(認知症対策型共同生活介護)

 認知症の方で、要介護1以上の介護認定を受けた人のみを対象にした施設です。5~9人の認知症高齢者がグループになり、介護を受けながら家庭的な雰囲気のなかで共同生活をします。

「食事」の画像

食事

「生活相談」の画像

生活相談

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安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

「身体介護・生活援助」の画像

身体介護・
生活援助

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機能訓練

ケアハウス(軽費老人ホーム)

 本人の収入に応じて低額な費用で日常生活上必要なサービスを受けながら、自立した生活を送ることができる住まいです。

「食事」の画像

食事

「生活相談」の画像

生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

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機能訓練

高齢者向け施設の種類と概要
有料老人ホーム
介護付き

 介護の必要のない人から、要介護認定を受けた人まで、施設によって幅広く受け入れています。介護が必要になった場合は、その施設の介護職員がサービスを提供します。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

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生活相談

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安否確認

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健康管理

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身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

機能訓練

高齢者向け施設の種類と概要
有料老人ホーム
住宅型

 介護の必要のない人から、要介護認定を受けた人まで、施設によって幅広く受け入れています。施設自体は介護サービスを提供しませんが、介護が必要になったら外部の介護サービスを利用して住み続けることができます。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

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生活相談

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安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

高齢者向け施設の種類と概要
サービス付き高齢者向け住宅
(サ高住)

 バリアフリー設備や安否確認・生活相談サービスは必ず提供されますが、それ以外にどのような生活支援サービスが提供されるかは住宅によって異なります。介護が必要になっても、外部のサービスを利用すれば、住み続けることができます。

基本的なサービス
「生活相談」の画像

生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

高齢者向け施設の種類と概要
グループホーム
(認知症対策型共同生活介護)

 認知症の方で、要介護1以上の介護認定を受けた人のみを対象にした施設です。5~9人の認知症高齢者がグループになり、介護を受けながら家庭的な雰囲気のなかで共同生活をします。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

「生活相談」の画像

生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

「身体介護・生活援助」の画像

身体介護・
生活援助

「機能訓練」の画像

機能訓練

高齢者向け施設の種類と概要
ケアハウス(軽費老人ホーム)

 本人の収入に応じて低額な費用で日常生活上必要なサービスを受けながら、自立した生活を送ることができる住まいです。

基本的なサービス
「食事」の画像

食事

「生活相談」の画像

生活相談

「安否確認」の画像

安否確認

「健康管理」の画像

健康管理

「機能訓練」の画像

機能訓練

4.民間の老人ホームの介護サービスの
提供方法の違い

 民間が運営する介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、サービスの提供方法がそれぞれ異なるので、違いを確認しておきましょう。

「4.民間の介護サービス提供方法の違い」の画像 「4.民間の介護サービス提供方法の違い」の画像

高齢者向け入居施設を選ぶ際の
ポイント

 高齢者向け入居施設選びでは、次の各ポイントも重要になります。

入居費用・費用の支払い方式

 入居施設選びで最も現実的なポイントが、入居に必要な費用をまかなうことができるかという点です。
 資産がどのくらいあるか、今後、年金などからのコンスタントな収入がどのくらい見込めるかを試算し、ご自分の資金力に合った施設を選びましょう。

 また、終身にわたる家賃相当金額を入居時に一括して支払う「一時金方式」や、通常の賃貸住宅のように家賃を月払いする方式などさまざまな支払い方式があるため、どの支払い方式が一番利用しやすいかを選択する必要もあります。

施設の個性・特徴

 また、次のような各ポイントについて、施設の個性・特徴を把握し、利用する人本人とその家族のニーズや希望に合ったものを選ぶ必要があります。

  • 運営方針

    (入居要件、入居率、退去要件など)

  • 経営状況

    (経営母体の主な事業、財務諸表など)

  • 介護サービス提供体制

    (利用者の人数に対する職員の人数の割合など)

  • 設備

    (居室・共有スペースの広さや備品など)

  • 医療的ケアへ対応してもらえるか

    (経管栄養、痰の吸引、人工呼吸器など)

  • 生活支援サービスの種類

    (食事、洗濯、居室の清掃、買い物代行、各種手続き代行など)

  • 行事/レクリエーション

    (年間行事、サークル活動など)

  • 立地/周辺環境

入居を希望する時期と空き状況

 入居施設は種類も数も豊富にあるように思えますが、実際は、空きがなくて入居できないという場合もあります。特に、限られた時間内に施設を探して、早く入居しなければならないとなると、希望する施設が一杯で入れないという可能性も高くなります。
 しばらく待てば空きが出る可能性も十分にあるため、できれば、時間的余裕をもって施設探しをしたいものです。

 時間をかければ、複数の施設で見学や体験入居を行なったうえで、自分の希望に合う施設がじっくり選べるようになります。

プロフィール

監修:長谷川はせがわ 佳和よしかず

介護支援専門員。一般社団法人 埼玉県介護支援専門員協会 代表理事。
有料老人ホームに介護職員として勤務。事務長を経て副園長として2施設の運営に携わる。
著書に『指導・監査に負けないケアマネ事業運営のポイント70―初任者から独立事業主まで知っておきたいケアマネ業務のすべて』(共著)(日本医療企画)がある。

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