2.身体的な介護の必要度に応じた介助のポイント
①軽度(要支援1~要介護1 ※)
介護の必要度
一般的には立ち上がりや歩行などに不安定さがみられますが、食事や排泄などの身の回りのことはほぼ自分でできます。介助が必要な場合でも見守りや部分的な介助です。
身体的な介護(排泄、入浴、着替えなど)よりも家事(買い物、掃除、洗濯、食事づくりなど)の手助けが中心になります。
介助のポイント
- 歩行が不安定なため、転倒の危険があります。杖や歩行器の利用、手すりの取り付けや段差の解消(住宅改修)などにより、自宅内を安全に移動できる環境を作ります。
- 入浴が困難になっている場合でも、福祉用具や住宅改修によって、安全に入浴でき、介助は最小限にすることができます。
ただし、入浴中は浴槽でバランスを崩したり、血圧の変動があるため、ひとりで入浴できる場合も見守りが必要な場合があります。 - 身の回りのことはできても、「重いものを持つ」「高いところに手を伸ばす」「かがんで物を取る」などの動作が困難になるため、家事の手助けが必要になります。
その場合でも、工夫次第で本人ができること(「椅子に座って掃除や料理をする」「マジックハンドを使って床の物を取る」など)もありますので、本人ができることまで介助しないようにしましょう。 - ただし、いつもはできていることが、体調によりできない日もあります。体調の変動に注意し、無理をさせないようにしましょう。
②中度(要介護2・要介護3 ※)
介護の必要度
排泄、入浴、着替えなどの身の回りの動作がひとりでできなくなり、部分的な介助が必要になります。
立ち上がりや歩行が難しくなってきて椅子に座って過ごす時間が長くなり、室内でも車いすを使う場合があります。
介助のポイント
- 歩行が困難になってきた場合、移動の手段がポイントになります。居室・トイレ・浴室などで車いすを使用できる場合は、介助をしながら排泄、入浴が可能です。
- 車いすが利用できない場合は、居室中心の生活にして、排泄についてはポータブルトイレを設置します。
自宅での入浴が難しい場合は、介護サービスを利用しての入浴、入浴せずに部分浴(手や足を湯につけて洗う)や清拭(蒸しタオルなどで身体を拭く)をします。 - 身体介護(排泄、入浴、着替えなど)が増えてきますが、部分的な介助で十分な場合が多いので、本人の力や動きをサポートする介助をします。
例えば、下肢筋力のある人がベッドから立ち上がる場合に「介助者が正面から抱えて力を入れて持ち上げる」のではなく、「本人がベッドの手すりをもって立ち上がろうとする動きを、介助者は背中や膝を支えながらサポートする」という方法です。
- 食事は自分で食べられる場合が多いですが、食べやすくするための食事の工夫(やわらかくする、とろみをつける)が必要になる場合があります。
③重度(要介護4・要介護5 ※)
介護の必要度
排泄、入浴、着替えなどに全面的な介助が必要になります。食事にも介助が必要になり、嚥下(飲みこみ)が困難になる場合もあります。
長く座ることが困難になったり、ベッド上の起き上がりや寝返りに介助が必要になります。
介助のポイント
- ベッドで過ごす時間が多くなりますが、可能な限り椅子に座る(ベッド上でも上半身を起こす)時間を持つことが大切です。椅子に深く座り、足底をしっかりと床につけ、腕をひじ掛けにのせると姿勢が安定します。
- 食事、排泄、入浴、着替えなど日常生活の大部分に全面的な介助が必要になってきますが、可能な限り本人のできる動作を引き出しながら介助します。
例えば、「立ち上がりや起き上がりの際に介助者の肩につかまってもらう」「ベッド上でのズボンの着替えやおむつ交換の際に腰をあげてもらう」「食事の際に最初は自分で食べてもらって、疲れてきたら介助に切り替える」などです。本人の残された力を維持することになり、介助者側も負担が軽減されます。 - 心身機能の低下が進むと、夜間にも頻回な介助(寝返り、おむつ交換、痰の吸引など)が必要になる場合があります。夜間の頻回な介助は介助者の身体的・精神的な負担が大きく、複数の介助者での分担と介護サービスの利用が必要です。
※要介護度については身体的な介護に着目した場合の目安です。認知症による介護の必要度が高い場合は、身体的な介護の必要度が低くても要介護度が高く判定されます。
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